大学院生 守田一郎が一世一代の恋文をつづるまでの話。
実際に会ってみた印象とその人の文章から受ける印象と、全然違うというのが良くあるけど、そういう人間の深みみたいなのが出ていて感心した。
書簡体小説とか日記体小説は古典でも現代でも結構あったように思うけど、自分が読んだものの中では読みづらいものが多かった。
たぶん難しいのだと思う。
本書は主筆守田が文通武者修行と称して多人数と文通するという内容なので、同じ出来事が何度も出てくる。
冗長だが、それ故に読みやすいと思った。
著者、森見 登美彦も登場人物として出る。
実際はどうなのか分からないけど、こういうイメージ作りには勝てない。
恋文の技術 森見 登美彦
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