破妖の剣 外伝 紅琥珀
予告どおり,外伝。『紅琥珀』,『縁魔の娘と黒い犬』,『鏡の森』の三編。 『紅琥珀』 逃避行中のラスと闇主の話。外伝ではもう水戸黄門のようになってきている展開だが,やっぱりこの二人はいい。前田先生もこれが書きたかったそうで,後書きによるとこのツーショットは『鬱金』では「まだすぐには出て来そうにない」らしい(え,次で最終巻じゃなかったんですか)。確かに,ラエスリールは3巻ぐらいまるまる眠ったままで,放置プレイにしては長すぎるか。放置プレイは『紫紺の糸』ぐらいがちょうど良いというか,あの放置プレイは最高だった。 『紅琥珀』は「こうこはく」と読むそう。ぱっと見「べにこはく」と読んでしまう。 『縁魔の娘と黒い犬』 通りすがりの闇主が人助け(魔性助け)する話。主に殴ったり蹴ったりしているシーンが良かった。 『鏡の森』 リーヴシェランが魔性の罠に掛かって邪羅と彩糸が助ける話。いつもの掛け合いと,邪羅いわく「鬼の目の涙程度には珍しいもの」,というか良いものを見させていただいた。腫れた顔に涙とか,リーヴシェランの性格でやらせてしまうところが巧い。トリックじみてたけど。 全体読んでて思ったのは,愛称のある世界は良いなとういこと。 次は『聖石』の番外編らしい,本編も区切りのついたところで再開したいとのこと。 朗報。 紅琥珀―破妖の剣外伝 (コバルト文庫)前田 珠子 (著), 小島 榊 (イラスト)