zickです。
このサイトも、もうあまり新しい人が来ることはなくなってきたかなー……
なんて思っていたら、はてなブックマークとかを見るとごく稀に件数が増えていて、
時々だけれど新しい人が来てくれているようで何よりです。
と、はてなブックマークを眺めていると、地獄Lispを紹介してくれた人がいるようです。
つれづれなるままに
誠にありがとうございます。
せっかくなんで地獄Lispのパワーアップ版である地獄Schemeで、
一体どんなことが出来るかを、ここに少し載せてみようかと思います。宣伝もかねて(笑)
(define cont #f)
(+ 1 (call/cc (lambda (k) (set! cont k) 0)))
(1行が1回の入力->評価と対応しています)
簡単に解説。
最初の式は単に変数に値を入れているだけです。
で、2つの式ですが、これは、
「『1』と『現在の継続を引数としてある関数を呼んだ時の値』との和」を求めます。
“ある関数”とはもちろん「(lambda (k) (set! cont k) 0)」のことですが、
“現在の継続”とは、これからする処理のことで、
この時点において”現在の継続”とは
(1)これから何かを評価して値を求め、
(2)それに1を加えた値を求め、
(3)その値をトップレベルに返す
というものです。
この式を評価したときは単に(+ 1 0)の値である1がトップレベルに返るだけですが、
(cont 7)
を評価してやると、トップレベルに8が返ります。これは、
(1)これから何かを評価して値を求め、
の『何か』が7になり、残りの
(2)それに1を加えた値を求め、
(3)その値をトップレベルに返す
が行われるため、(+ 1 7)の値である8がトップレベルに返るわけです。
継続は勝手に破壊されるようなことはないので、何度でも呼び出すことができ、
(cont 127) => 128
(cont 255 => 256
このような結果となります。
“現在の継続”とは一体何かを平たく言うと、”そのときのスタックの状態”ですね。
もう少し面白いのが、ここで
(cons 'a (cont 15))
としたときです。この式の値は16となります。つまり、consが無視されるんです。
これは、(cont 15)が評価された時点で、これからする処理が
「consを呼び出しトップレベルに戻る」ではなく、
「何かに1を加えてトップレベルに戻る」に書き換わるためです。
要するにスタックの状態を丸ごと書き換えるようなものです。