スペース☆ダンディ第十九話

「あ、そうだ! クラウド星人! お前を捕まえに来たじゃんよ!」(ワハハ) 「捕まえる、この私を? それは雲を掴むような話ですね」(ワハハハハ)

 

今までで一番脈略がなかった。プロレスにもクラウド星人の性質にもスカーレットのハイミスっぷりにも、一切の必然性を感じない。いや、一要素一要素なら別に脈絡やら必然性などなくて一向に構わないのだが、その全てが他の要素と接続されていないため、完全に浮いている。この設定の数々は必要だったのだろうか、という疑問が見ていて沸いてくる。時間を埋めるためだけに用意されたようだった。

十分美人で(個人的には特に髪を下ろしてメガネを外した時)面倒見も悪くなく、仕事もキッチリしていてしかも戦闘能力も高いという、傍目にはかなりパーフェクトなスカーレットにモテない行き遅れをやらせても嫌味というか、見ている人間を置いてけぼりにするだけだと思うのだが、これはただ単に僕が今回の話でノリきれなかったから尚更目についただけかもしれない。全体を通して過剰なほど笑いどころを強調していたので、見ている側としては冷めてしまった。もちろん面白いな、と思うシーンもあるのだが、純粋に楽しめない。

「フルハウス」のような、ドラマ中に突然入ってくる笑い声――今調べたら「ラフトラック」という名前らしい――をフンイキ星人という名前で登場させていた。これがどうにもわからない。無論パロディだろうとは思うのだが、僕は元々からしてこのラフトラックというのが好きではない。笑いどころは僕が勝手に見つけて笑うもので、他人に決めてもらう類のものではない。「笑うだけで面白い人間」は確かに存在するが、そう多くはないのだ。まあとにかく、好きではないからこその困惑といえるかもしれない。製作陣があの類の笑い声が好きでそれをパロディしたのか、それとも嫌いだからあからさまにわかりやすい笑いどころを並べるだけの作品を作って挿入したのか、僕には今回の話がそのどちらかを識別することが出来なかった。

 

うーむ、謎めいた30分だ。わざとつまらなくしてる話なのか、それともただ単につまらないのか。こうやって考えている僕をフンイキ星人に笑ってもらえば、良い落ちになるかもしれない。

スペース☆ダンディ第十八話

「釣りはフナに始まってフナに終わる。これ常識です」

 

現状二期で最も気に入った話。思えば一期でも五話はいっそド直球と言ってもいいような話で、僕はとても楽しめた。

日本昔話とジブリアニメが混合したような話だった。みなで寄って集って綱を引っ張るシーンは完全に「おおきなかぶ」だし、純真さの象徴のような幼子と、感情を素直に表に出さず周囲からは半ばキチガイ扱いされている頑固親父というのも実に王道。終わり方も鉄板で、綺麗に纏まっていた。

 

 

 

と、たったこれだけを書いてずっと放置してしまった。

なんといえば良いのだろう。楽しくてとても好きなのだが、それしか言葉にならないせいで他の感想が書けない。このシーンはああだ、あのシーンはこうだ、と、見た瞬間は感じたようにも思うのだが、あまりに楽しかったので続けて何度も見てしまったのが悪かったのか、それともただ単なる僕の未熟ゆえか(おそらく両方だろうと思うのだが)、曖昧模糊とした言葉以前の何かが消えてしまったようだ。いや、消えたというのは正しくない。潜水用具も釣竿も銛も何も持たずゴーグルだけで海を覗いているような感じで、頭の中に思いがあるのに、それを外の世界で文章として固定化できない。二話続けて碌な感想がかけていないのは自分でもどうかと思うが、どう頭の中を浚っても、見つかる言葉は「楽しかった」しかなく、他の思いは言葉として捉える前にスルリと逃げ出し、なんとかその形を思い出しながらキーボードをたたいてみても他人の言葉染みた違和感を発するため残しておく事が出来ない。

だが、きっといつか、この頭の中の思いを引きずり出せるようになるだろう。そしてより深くに潜む思いを見る事が出来るようになるだろう。それらを僕の言葉として残す事ができるようになる事を信じて、これからも感想を書いていこうと思う。

スペース☆ダンディ第十七話

ミュージカル回は動きには多少面白い部分もあったけど歌がどうにも乗り切れないどころか見てて恥ずかしくなったのでパス。ミュージカルの動きってちゃんと考えて組み立てられてるんだなあとむしろそっちに感心してしまった。チアガールがなんとも曖昧に手を動かしながら歌ってるのが見てて辛い。ダンディが指を指しながら踊ってたシーンはまだ見れたけど。

しかし、結局ああいうダンスは上半身だけ動かしてるようなんじゃ駄目なんだろう。頭のてっぺんから足の先まで動かしてくれなきゃ物足りない。作画の手間考えれば一部だけでもほぼ全身出してたのは頑張ってたんだろうけど、ダンスに関してはやはり毎週やるようなアニメはまだまだのようだ。そう考えると、カメラを真正面に据えてダンスを描こうとしたのは評価できるかも知れない。