ローリング☆ガールズ 第三話

「そんなに心配ならどうして望未を行かせたんですか」「だってさ……そろそろ父親を嫌がる年頃だろ……? ポイント稼いでおかなくちゃと思って……」

 

最初に書いておくと、3話は今までほど楽しくなかった。僕は昨今のオタクとかコミケとか、そういうモンがネタにされてるのを見るのが嫌いだ。それから。ああいう作画の使いまわしはやめろ。

だが、面白くなかったかといわれるとそうでもない。多分このアニメが好きだからそう言っているだけだろうが、別にそれでいいだろう。僕だって楽しむ努力をしないわけじゃない。

面白みを感じたのはあの石である。「月明かりの石」「コア」「ヒロイックガーネット」あと聞き取れなかったが双塔の騎士団での呼称と、各地さまざまな名前で呼ばれているハート型の石(声を大にして言うほどでは無いが、この名称のばらつきも面白い要素だと言っていいだろう。突然何の説明もなく石が降ってきて、しかもそれが自分に力を授けたとしたら。そりゃ多少トンチキでカッコイイ名前ぐらいつけるだろう。各々が勝手気ままに。妙なリアリティだ)は人の欲望を強化するのではないか? 宇徳 真茶未は「(森友望未を)守りたい」という欲望が逆に望未を傷つけるほど大きく、執行玖仁子は正義の味方になるために東京へやってきたが「強くなりたい」あるいは「武器を集めたい」という欲望に飲み込まれてしまった。これは今回出てきたサンダーロードの行動を見て思った事だ。自分の過失かも知れないと考え付いておきながら、自分が欲しいために石を売るという選択。ここがどうにも怪しい。彼女の欲求が何かに突き動かされていたと考えれば辻褄は合う。

と、ここまで書いていて別の事も考え始めた。全然そんな事情はなく、ただ単にコスプレ自警団の団長がそういう人間だったとしたら、どうだろう。実に……リアルだ。それも嫌な方向にリアルなキャラクター造形だ。あれ、それはそれで面白いじゃないか?

あとは面白みと言うほどでもないが、いくつか露骨に何らかの展開への布石がされているのでそこをどう回収するか、気になるところではある。話を聞いている限り狂言でしかなさそうなダイナマイトボンバーズ、カウントダウンカレンダーでも流れていた鼻歌、ちーちゃんと呼ばれてワンテンポ遅れる千綾。この辺だ。

ローリング☆ガールズ 第二話

「やりなおそう、執行さん!」「ウ…ウウ……」「無茶を言うな! 十年越しの自己矛盾だぞ!」

 

「人にやさしく」ってOPテーマだったのか。EDで十分嵌ってた分違和感はあるが、まあそのうち慣れるだろう。

この作品、ノリや掛け合いが非常に好ましい。サイドカー付きのバイクが柵を飛び越えたりゲロがビームになったりする思いっきり頭悪い流れとか、ジェットコースターから振り落とされても「いつも吹っ飛ばされてるから」大丈夫、という説得力とか。ひたすら助言が裏目に出る天丼とか。言及しにくいなこれ。平たく言えば僕が好きな空気だ! という事に尽きるが。

というか、今回第二話は展開全部が笑い所みたいなつくり方をしているから、ツボとずれてる人には多分何一つ楽しめない、ただただ白けさせられるスベり倒しの糞アニメとしか思えないだろう。まあギャグは仕方ないな。

そしてこれ、書いていて今気が付いたんだが、展開より小ネタに目が行ってしまって僕のブログの書き方だとなんとも感想を語りにくい。このネタがどうこうあのネタがどうこうと笑い所を書くのは流石に寒すぎるし、どうしたものか。困ったものだ。

 

笑えた、楽しかった、と。とりあえずそれだけ書いておこう。

ローリング☆ガールズ 第一話

「十あまりの道州から再び分割再編された旧都府県は、なんやかんやで独立し! それぞれが、勝手気ままに、ご当地色を強めながら、内向きに、圧倒的発展を遂げていった!」

 

WIT STUDIOオリジナルアニメーション「ローリングガールズ」。なんの前情報もなくニコニコ動画で公開されたばかりの第一話を見て、一瞬で心を奪われた。

僕の心が喝采をあげている。「フリクリ」「京騒戯画 第一弾」「スペースダンディ」の系譜! 馬鹿を、やりきるというすばらしさ! まあ似た匂いを感じていたものの僕の期待していた方向とはまったく逆側にフルスロットルで吹っ飛んでいった「サムライフラメンコ」という例があるからまだ油断は出来ないが、少なくともこの第一話は三回見てもまだ笑える。

「やりきる」というのが、創作物にとっては非常に重要なのだ。言ってしまうと、その方向性自体は別にシリアスでも恋愛でもカッコよさでもKAWAIIでもギャグでもアナーキーでも変態性でもなんでもいい。なんでもいいが、それをやりきってほしい。中途半端にやられると僕は見ていられなくなってしまうのだ(突然素に戻るという現象すら笑いに落とし込めるなら別だが)。そのあたりが、「キルラキル」の視聴を断念した理由でもある。あのアニメには隠しきれないほどに作っている人間の照れがあった。馬鹿になりきれない硬さがあった。

音楽のセンスがまた良い。挿入されるBGMもそうだし、なによりなぜ挿入歌とかEDをブルーハーツにしたんだ。ARBをぶちかました「輪るピングドラム」を思い出させる。この辺もまた僕の「よくわかんねーけどかっこえー!」という感情をむんむん刺激してくれる。

 

このアニメが世間でどう評価されるかは知らないし、今後僕の評価が一変しない保障はまったくないが、第一話は間違いなく面白い。大好きだ。