羽月莉音の帝国 <2>

羽月莉音の帝国 2 (ガガガ文庫)

著:至道 流星 イラスト:ニノ膳

「たしかに、あなた方は法に反することもしている。沙織をさらったことも許さない。やってることも、言ってることもメチャクチャだ。それでも、あなた方は間違っていない」「だからこそ、あなた方が俺に落とし前をつけるように、いずれ俺もあなた方に落とし前を要求する。覚悟をしておくことだ。俺の腕一本は高くつく」

約1ヶ月1週間の積み。隔月刊行。表紙は莉音に続き、沙織。何気にネコミミ装備ですよ。

さて、速水半導体工業を買収し、軌道に乗る革命部。どんどん動く金の桁が膨らみ、現実感が無くなっていくぜ……。
一見、読んでいて気持ちの良いサクセスストーリーなだけと見せかけて、ちょいちょい経済的な知識を蓄えられるようになっている心憎い構成も健在。

今回はやや中編連作集風味。中盤の沙織奪還の下りは燃えた。巳継もそうだけど、恒太格好良いよ恒太。
でも、これで巳継が沙織振ったら、えらいことになりそうだぜ……。その辺はなぁなぁで終わらすんだろうけどさ。

そしてヤクザ相手でも何とかなっちゃった革命部の前に大手衣料チェーン、アクアスが立ち塞がるのであった。圧倒的な経験の差を見せつけてくるアクアス社長、立花の前にハッタリだけで社長業をやってきた巳継に勝ち目はあるのか?というところで続く。おい、そこで続くのかよ!

どうせなら、今巻は中編連作集にしといて、3巻を丸々アクアス買収編にすれば良かったと思うの。

構成に多少の違和感は残るものの、ストーリーは純粋に楽しめる、良い作品だと思います。
次は7月。

燃:B+ 萌:A 笑:B 総:A+

ガガガ文庫

Posted by お亀納豆