「厭だ」
祥伝社文庫2012年9月の新刊。約2年6ヶ月2週間の積み。祥伝社文庫なんて読むの初めてだわ……。
この頃から京極さんが出す文庫は小説に限り大体買っている筈。
四六判で刊行された後、新書判でも発売されて、文庫落ちに至る。
粗筋にも書いてあるんだけど、ひたすらに厭な気分にさせられるエピソードばかりを集めた連作短編集。
小説NONに掲載されたものをまとめているんだけど、連載だったのかと思いきや、物凄いスパン空いてるんだな。
舞台は現代、とある会社に勤める人々が、厭としか言いようのない体験をしていく様が描かれる。
その殆どは怪奇現象なんだけど、何故それが起こるのか、どうすれば解決するのか、そういったことが全然語られないまま、ただただ厭な展開が続く。
お話自体も厭だし、オチらしいオチが無いのこと自体ももやっとして厭だ。
これは「面白い」という表現が正しいのかと言われると、首を傾げざるを得ないんだけど、オチが全然読めないから、ついつい読んじゃうんだよなぁ。
『世にも奇妙な物語』っぽいのかなぁと思っていたら、実際に『厭な子供』はドラマ化されてたのね。
燃:C 萌:C 笑:C 総:A+
著者リンク
・文庫版 嗤う伊右衛門(角川文庫、2001/11)
・文庫版 巷説百物語(角川文庫、2003/06)
・文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし(角川文庫、2010/10)
・分冊文庫版 ルー=ガルー 忌避すべき狼(上)(講談社文庫、2011/09)
・文庫版 死ねばいいのに(講談社文庫、2012/11)
・角川文庫版 幽談(角川文庫、2013/12)
・文庫版 虚言少年(集英社文庫、2014/09)
・文庫版 オジいサン(中公文庫、2015/02)
・文庫版 書楼弔堂 破暁(集英社文庫、2016/12)
・文庫版 虚実妖怪百物語 序/破/急(角川文庫、2018/12)
・文庫版 ヒトでなし 金剛界の章(新潮文庫、2019/02)