「かっこいい話なんていらない。どんなにかっこ悪くても、生きてる方が全然いいよ。ずっといい……」
B’s-LOG文庫2012年3月の新刊。ファミ通文庫の折り込みチラシでタイトルを見たときは、どういうことだってばよと思ったものだが、編集部主導の企画で、要はファミ通文庫『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』のフェアリーテールシステムを使ったお遊び企画。
B’s-LOG文庫とか読むのも初めてなら、買うのも初めてだわ……。
著者の水澤さんは『緋色の欠片』のノベライズを書いたりしてる人。
天涯孤独の身となった主人公、菱川綴莉(つづり)は、ある日、自分のパソコンに届いたスパムメールに返信したことで、大好きな乙女ゲーム「薔薇色の人生を君と」の主人公となってしまう。
現実世界に現れたイケメン達は、ゲームの世界とは違い、心を持ち行動する、普通の人間と何ら変わらない存在で……というお話。
原案と同じく、ハーレム形成でウハウハ→シナリオの進行で、鬱展開にというパターンをとるし、主人公以外にもフェアリーテールシステムを使った人物も登場するが、まんま展開をなぞる、という風にはなっていない。
なので、こっちはこっちで普通に楽しめる。イラストが受け付けないとか言われたら知らんけども。
ってか、綴莉が普通に可愛いんだけども。
カバー下にショートショートがあるんだけど、B’s-LOG文庫では普通のことなのだろうか……。
そういうわけで、『乙女ゲームの世界よ、ようこそ!』でした。一応、続きが作れそうな終わり方にはしてあるけど、流石にシリーズ展開は無いだろうなぁ。
ただ、ファミ通文庫とB’s-LOG文庫間で、こういうやりとりが出来るという実績を作ったのは大きいと思うんだ。
燃:C+ 萌:B+ 笑:B- 総:A
原案リンク
・ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(ファミ通文庫、2009/01)