パラサイトムーンⅡ 鼠達の狂宴

パラサイトムーン〈2〉鼠達の狂宴 (電撃文庫)
著:渡瀬 草一郎 イラスト:はぎや まさかげ

「毎度のことながら、あの顔で『趣味がケーキ造り』は詐欺だと思うんですがね……」

2001年8月刊行物。3ヶ月振りの新刊。読むのは多分3回目。
さて、主人公を売り出し中の女優、水本冬華(ふゆか)に交代しての第2巻。姉の事故死を契機に、冬華の周囲で始まる謎の人体液化現象。それは迷宮神群『黄昏の墓守・レブルバハト』を巡る争いの再会の合図で……というお話

最近、あんまり主人公が交代するラノベって見ない気がするな。
今、パッと思いつくのは電撃文庫『バッカーノ!』『ウィザーズ・ブレイン』、HJ文庫『カッティング』くらいかなぁ。
1巻のメインキャラ、心弥と弓は、ほんの少しだけの出番しかない。

時系列は多少1巻と被っており、今回のプロローグ→1巻→2巻となっている。そのため、1巻では籤方が冬華の姉、美春を斬った話がちょろっと出ている。

今回の主人公は迷宮神群に対して無知であるため、序盤はライトホラーな雰囲気。一方で夢路や詩乃は引き続き登場している。
夢路はいわば狂言回し的ポジションなのかな。

今巻から登場する星詠みのエスハ。良くも悪くも物語に影響を与えるキャラクターだけど、『輪環の魔導師』を読んだ後だと、今まで以上に面白がってやってるだけとしか思えなくなったな……。
こちらの世界では迷宮神群の命名はエスハがやってるらしいけど、黄昏の墓守みたいな別名は、どっから出て来てるんだろう。

後半では日本における嘆きの祭夏老の拠点、紅街中華街が戦いの場となる。新作『ストレンジムーン』でも舞台になるみたいだし、祭夏老登場ワンチャンないかな。こっちでは、ついぞ出て来ず終いじゃなかったっけ。

一連の事件を終えて、父と姉を、信頼出来ると思った紳士を喪った冬華。あれ、アフターケア無しに終了か。
確か、この後も冬華の出番って無かったよな?あったっけ。

後書きによると、どうも『Ⅲ』以降は売上が良かったから出たみたいだな。

燃:A 萌:A 笑:C 総:A+

シリーズリンク
パラサイトムーン 風見鳥の巣(3回目、2001/05)
パラサイトムーンⅢ 百年画廊(3回目、2001/11)

電撃文庫

Posted by お亀納豆