煉獄姫 六幕

煉獄姫 六幕 (電撃文庫)
著:藤原 祐 イラスト:kaya8

「今までずっと私、言われるがままにお仕事をするだけだった。何も考えていなかったし、フォグの言う通りに動いてればそれでよかった。でも、もうそれじゃ駄目なのよ。私は自分でちゃんと考えて、外に出て……戦わなきゃいけないんだわ」

2013年1月の新刊。約7ヶ月1週間半の積み。8ヶ月振りの新刊。『@HOME3 長男と長女を巡る喧噪』からは4ヶ月振り。
表紙はフォグとアルトということで、おお、主人公が表紙に出れるパターンか。

さて、絶望的な状況からの反撃が始まる。父とも呼べる存在ローレンの記憶と触れ合ったフォグは、自分達ローレンの雛達が生み出された本当の理由を知り、彼の力を引き継ぐことに。

それぞれの戦いに決着がついていくけど、うーむ、もっとダークな展開を期待していたのにな……。
流石に、風呂敷を畳みながら、えぐい流れにもっていくのは無理か。『レジンキャストミルク』のときも、ラスト付近はしっとりしてたっけ。

終わってみれば、開始当初からは想像もつかないほどのハッピーエンドに。貴族の多くが死亡したことで、アルトは日の光を浴びれる立場になれたし。

総評

ってなわけで、毒気が漂うダークファンタジー、電撃文庫『煉獄姫』全6幕、これにてフィナーレ。足掛け2年5ヶ月か。

藤原さんお得意の真っ黒展開で何だかんだで楽しめました。問題は売れ線から、ぶっちぎりで遠ざかってるところだよな……。
固定ファンがそれなりに居るから、このノリばっかりやってるんだとは思うが……。

後はイラストがもっと萌えよりだったら、コミカライズワンチャンくらいはあったかもしれない。
次は2013年9月に新シリーズ『ロストウィッチ・ブライドマジカル』。

燃:B 萌:B+ 笑:C+ 総:A-

シリーズリンク
煉獄姫 五幕(2012/05)

電撃文庫

Posted by お亀納豆