荒瀬はるか、容赦なし!

荒瀬はるか、容赦なし! (MF文庫 J く 2-6) (MF文庫J)

著:熊谷 雅人 イラスト:魚

「なんでぼくを盾にしたんだよ!」
「だって、熱いじゃないですか、火」
「それに、安全な場所で符を取り出して、術式を発動させる必要がありました。だから、竜弥君の後ろに隠れたのです」
「ぼくは焼け死ぬところだったんだぞ!」
「死んでないじゃないですか」
「あ、でも怪我してますよ」
「知ってるよ。かなり、痛いからな」
「血がつくといけないので、近づかないでください」
「お前さ、もっと他に言うことないのかよ」
「頑張れ」

約三ヶ月半週間の積み。MF文庫J。『ネクラ少女は黒魔法で恋をする』の完結から、もう何年経ったか判らんが、遂に熊谷さんが復活です。なら、買うしかないじゃないか!
イラストはHJ文庫の『たま◇なま』やスーパーダッシュ文庫の『ぱんつぁのーと』でお馴染みの魚さん。

2009年7月のMFの新シリーズ四本の内、本作、『天川天音の否定公式』、『焔のシグナティス』の実に三作が学園異能バトル風味です。これは下手な鉄砲数撃ちゃ当たる戦法なんだろうか。
『天川天音』と並んで、こちらもガチガチの『シャナ』テンプレートかと思いきや、そうでもなかった。
というか、大枠としては退魔ものなので学園異能バトルといより学園伝奇か。

主人公の竜弥は退魔の家系なのだが落ち零れで、高校入学のときに優秀な退魔師の少女、荒瀬はるかと出会ったことで、物語が動き出すといった感じ。
一応、ダブルヒロイン制なのか、幽霊少女なんかも出て来ます。

要素だけ抜き出すと、売れ線ジャストミートな感じなんだけど、おいおい、MFなのにLOVE寄せが全然無いってどういうことだよ!
はるかはただ冷たいだけで、ツンツンって感じじゃないし、幽霊少女、幽実香(ゆみか)にもそういう気配無いし……。
竜弥を溺愛するお姉ちゃんなんかも登場するんだが、全くエロ方向へ進まない。それが熊谷さんクオリティ。
いや、エロが無いのは別に構わんのだが、それならそれで何かしら他の売りが無いことには……。

じゃあ、バトルに特化してるのかと言えば、全然そんなこともないという、どっちつかず状態。アルェー?

これは三巻打ち切りフラグではなかろーか。
次は十一月だけど、もう買わないかなぁ。口絵に吸引される可能性はあるが。

燃:C+ 萌:B+ 笑:B 総:B

ネクラ少女は黒魔法で恋をする (MF文庫J)
ネクラ少女は黒魔法で恋をする (MF文庫J)

MF文庫J

Posted by お亀納豆