となりの魔王 到来編
「このあたりは治安がよいとみえるが、留守を守る身でありながらやすやすと門を開くは感心せぬな。若い娘が警戒心の足らぬことよ。以後気をつけるがいい」
やだ、魔王様紳士……。
ビーズログ文庫アリス2015年5月の新刊。約2日の積み。
いまひとつコンセプトの理解らない乙女ノベルレーベルの創刊ラインナップの1冊。
ゆずこさんが昔から好きなサイトの管理人さんだか何だかが、この度商業デビューするということで、是非読んでレビューを書いてほしいとの指令が。
あー、買った本貸してくれんのかなーと、ぼんやり思っていたら、まさかの献本貰ったでござるの巻(本に「献本いたします」って書いたメモが挟まってた)
どうも雪乃下さんが自分のサイトに掲載していた小説を、なろうでも公開。それが書籍化という流れの様子。なろうでは今でも閲覧可能。
舞台は平凡な田舎町。女子高生である主人公、瀬野夏織の家の隣にある日、新しい隣人がやって来た。
引越し蕎麦を持ってきたそのお人は誰あろう、魔王様で……。ほんとに、みんな魔王好きなのな。
基本的には田舎の日常に溶け込んだ魔王様と、それに恐る恐る関わっていくカオリの姿を描くハートフル日常コメディの連作短編集。
なんだろうな、ツッコミのパワーが足りないのかな。もっとガッツンガッツンツッコんでも良いのよ。
それに加えてLOVE寄せが皆無なのが惜しい。いやいや、別にイチャコラしろというわけではないんだけど、このシチュエーションで全然そういう要素が無いのはどうなんだろうか。
クラスメイトの男子も居るのに勿体無い。
現代日本で日常生活を送る魔王といえば、電撃文庫『はたらく魔王さま!』を思い出すわけだけど、あちらが1巻ラストで何だかバトルしちゃったのに対し、こちらは終始日常シーンという感じで、個人的にはこちらの方が好きかな。
その内、勇者出て来んじゃね?と思ったら、2巻で即出て来るのね。
後はイラストか。創刊ラインナップの他の作品と比べると、明らかに見劣りしてると思うんだけど、メインターゲットの感覚だとそんなことないんだろうか。うーむ。
次は2015年7月に2巻『襲来編』だけど、自分で買ってまでは読みたいと思わないかなぁ……(チラッチラッ
燃:C 萌:B- 笑:B+ 総:A-
シリーズリンク
・となりの魔王 襲来編(2015/07)
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