【ラノベ】先生とそのお布団【感想/ネタバレ】
著:石川 博品 イラスト:エナミ カツミ
「先生は世界で一番行間を読める猫ですね」
ガガガ文庫2017年11月刊行物。約1年2週間の積み。このライトノベルがすごい!2019で紹介されていたので気になって買ってきた……のはいいものの、ふと気が付けば1年積みである。
石川さんが自身のラノベ作家人生を脚色したストーリー。カクヨムで連載後、同人誌として頒布されたものが加筆修正を加えて文庫化。
カクヨム掲載作品がKADOKAWA系列以外のレーベルから刊行されるこってあるんだな。他にもあるのかしら。
鳴かず飛ばずのラノベ作家、石川布団。彼は人語を解する不思議な猫、先生と暮らしながら今日も今日とてラノベを書く。様々なレーベルを渡り歩きながら新作の構想を練るが……。
このタイトルだと作家の方が先生だと思っちゃうよなw
主人公が30歳オーバーだなんて普通にカテエラ案件だけど、平気で出しちゃうのがガガガ文庫なんだよなぁ。
表紙にはさもヒロイン枠です、みたいな女の子がいるが、ただの脇役だよ!やったー!
作家ものは数多くあれど、推敲シーンを丁寧に描写している作品はなかなか見ない気がする。そういう部分をもっとフィーチャーしても良かったかも。
どこまでが実体験なのかさっぱり理解らないけど、劇中に登場する石川先生の作品はタイトルこそ変えられているが、ほぼほぼ実際に石川さんが刊行してきた著作と対応している模様。
このラノにランクインしたから続きを書いたのにサッパリ売れなかったとかリアル過ぎて辛くなってくる。
最初の頃のこのラノならトップテンになんぞ入ろうものならアニメ化間違い無しだったのになぁ……。
登場するレーベルの名前は大層適当で、すぐにどこがどのレーベルだったのか判らなくなるw
まさかラノベレーベルなんてどこも五十歩百歩なんだよカスが!っていう皮肉だったりするのかしら。
次こそは、次こそはと思いながらも爆死を繰り返し、もう潮時なのかと疲弊していく様は読んでいて辛いものがあるなぁ。
そこへ先生の老衰も重なって、うーん、しんどい。
それでも結局は書くのをやめられず、先生が遺してくれたものと一緒に書き続けていく……という一粒の希望を感じさせる終わり方が心憎い。
燃:C 萌:A- 笑:B+ 総:A
著者リンク
・クズがみるみるそれなりになる「カマタリさん式」モテ入門(ファミ通文庫、2011/11)
・後宮楽園球場 ハレムリーグ・ベースボール(スーパーダッシュ文庫、2013/12)
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