【ラノベ】ラン・オーバー【感想/ネタバレ】
著:稲庭 淳(いなにわ・じゅん) イラスト:こうましろ
「あのさ、田辺さん、前から言おうと思ってたんだけど、私、田辺さんが嫌いなんだ。それも、たまに殺したいと思うくらい、嫌いなの」
講談社ラノベ文庫2015年7月の新刊。約5年2ヶ月1週間の積み。第4回講談社ラノベ文庫新人賞佳作受賞作。応募タイトルまま。
確かネットでの評判を見て買った筈。
いじめが当たり前のように行われているクラスで傍観者のポジションを保っていた主人公、伊園(いぞの)。転校生の少女、湊がいじめっ子達に牙を剥いたことで状況は動き始める……。
伊園は失うものが何も無いが故の強気さで、湊と共にいじめっ子達をフルボッコにしていく。伊園が被害者の立場から動き出すんじゃなくて、傍観者という立ち位置から関わっていくという構図がミソ、かなぁ。
被害者だった原君が最初は伊園に半ば強制されて加担していたのが、最後にはノリノリでサイコな領域にまで足を踏み入れていたのはブラックな展開で良かった。死姦は流石にいかんでしょ。
うぉおおおおおおお、いじめっ子どもをぶっ殺せ!!!!!!!!みたいなテンションで突き進む中盤までは盛り上がったが、最後、伊園にしっぺ返しが来たのがちょっと盛り下がっちゃったかなぁ。
受賞した時からカテゴリーエラーと散々言われたそうで。面白かったが、確かにバッキバキにカテエラなんだよなぁ。何故よりにもよって、この賞に応募してしまったのか……。講談社タイガとかに回すわけにはいかんかったんかな……。あっ、この本が出た頃、まだ創刊されてないわ……。
で、稲庭さん、案の定この後、本出せてない……(´・ω・`)
燃:C 萌:A- 笑:C 総:A
イラストリンク
・異世界作家生活 女騎士さんと始める ものかきスローライフ(ダッシュエックス文庫、2016/05)
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