火の国、風の国物語13 英傑雄途

火の国、風の国物語13 英傑雄途 (富士見ファンタジア文庫)
著:師走 トオル イラスト:光崎 瑠衣

「この剣は、人は斬れぬ」
「だが、決して折れることはない!なぜならこの剣は、私とクラウディアさまの絆だからだ!」

2011年9月の新刊。約3ヶ月2週間の積み。5ヶ月振りの新刊にして、いよいよ最終巻。
表紙は12巻と合体します。

さて、激突するアレス軍とフィリップ軍。アレスは自ら前線に立ち、大暴れするが、何で愛馬のオルトスまで大暴れしてんだよw
この馬も巻を重ねる毎にチート性能になっていってる気がするな……。

で、最後は王都の聖堂でクラウディアを巡って、アレスとフィリップの一騎打ちです。愛する女性を賭けての戦いとは、何という男の浪漫。

見事、国王となったアレスは政治をジェレイドに任せて、世直しの旅に出ることに。妻となったクラウディアは勿論として、ミーア、シオーネ、ベアトリスも一緒。まさかのハーレムエンドだったでござるの巻。

その一方で、妖魔達がエディンバラに向けて侵攻の準備を進めているようだが……。続編の構想は一応あるらしいし、その辺が絡んでくるのだろうか。
最近の風潮だと、こういうタイプの作品はメディアミックスがし難いだろうから、もう同じ方向性ではやらないかと思ってたんだけど、後書きに書ける程度には可能性があるのか。

後書きでは、最近のファンタジアが基本的には短編集形式の本は出さないことになっていると言っているが、それって雑誌連載で本編進行はやらないって意味か?
あと、電撃文庫『僕と彼女のゲーム戦争』はかなり売れているらしいです。

総評

ってなわけで、今のご時世、ラノベでは珍しいファンタジー戦記『火の国、風の国物語』全13巻、これにて完結。足掛け3年11ヶ月か。長かったな……。だって、ファンタジアの装丁が変わる前からのシリーズだもんなぁ。

開始当初の文庫はアレス編、連載はジェレイド編っていう同時進行構成が面白かったよな。
こういう構成だと、合流したときに盛り上がるから良いよね。

基本的にはアレスのチートっぷりを楽しむ作品だった。悪党どもを薙ぎ払っていく様は爽快。

光崎さんのイラストも作品の雰囲気にマッチしていたよな。男もちゃんと格好良く描かれてたし。
これは続編も期待したいシリーズですね。まぁ、『ゲーム戦争』が軌道に乗ったら、それどころではなくなりそうだけど。

燃:A+ 萌:A 笑:B 総:A+

シリーズリンク
火の国、風の国物語12 傑士相求(2011/04)