【小説】文庫版 書楼弔堂 炎昼【2巻/感想/ネタバレ】
著:京極 夏彦
本を閉じている時、本の中の世界の時間は止まっています。
でもその時間は、本を開くだけで、また止まったところから流れ出すのです。
こんな不思議なことが、他にあるでしょうか。
2019年11月の新刊。約10ヶ月2週間の積み。2年11ヶ月振りの新刊。
表紙はやや遠くから見た弔堂の外観か。全く本屋に見えない……w
このジオラマ良いよなぁ。もっと口絵を使ってじっくりねっとり見せてほしい。ってか制作費、表紙と口絵1ページだけで見合ってるのかな……。
サブタイは朝から昼へ。これはもしかして次に夜が出て3部作で完結、みたいな想定なのかしら。
さて、今回も様々な偉人達が人生の1冊と出会っていく。狂言回しは引き続き高遠さんかと思いきや、塔子さんという若い女性にバトンタッチ。
語りが塔子さんに変わったことで、全体に漂う雰囲気が少しだけ柔らかくなったかな。
ただ、章カウントは前巻から続いている。
今回肝になるのは後の柳田國男となる松岡國男さんだろう。京極さん、この人からめちゃめちゃ影響受けてそうだもんな……。小説以外はチェックしてないから、詳しくは知らないんだけれども。
塔子さんが語り部になったこともあり、この時代における女性の地位の低さ問題を強く感じますね。最近読んだ『今昔百鬼拾遺 天狗』もそういう話してたよな。作中の時代背景は違うけれども。
日本の女性蔑視の根は深いってことかなぁ。
いやしかし新しい本を買って早く読みたいとワクワクしている塔子さん可愛いな。理解る、理解るぞ~本を早く読みたい気持ち。
ラストに塔子さんの苗字が天馬だと判明するが、ググっても誰なのかピンとこないんだよなぁ。京極さんの外のシリーズとの関連性も無いようだし……。うーん。めちゃめちゃ重要そうな開示のされ方なんだけどなぁ。
燃:C 萌:A- 笑:C 総:A
シリーズリンク
・文庫版 書楼弔堂 破暁(2016/12)
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