著：裕時 悠示　イラスト：るろお

行かねばならぬのだ。
あの黒歴史ノートを握られたあの日から。
俺とあいつは、そうなるように定められているッッ！

2022年２月の新刊。積んでない！５ヶ月振りの新刊。思っていたよりも早かったね。
表紙は11年後の鋭太、真涼、千和の３人。笑顔の３人……かと思いきや、鋭太は冷や汗かいてんじゃねーかｗ
美しい最終巻表紙だと思ったのに……。

まずは修学旅行の新幹線内の様子を描いた短編。これは果たして修学旅行のエピソードと言ってもよいものか……。
その後はこれまでの挿絵を用いたプレイバック。裕時さんのコメント付き。やはりカオルの設定はシリーズの長期化に伴って出て来たものだったみたいね。

ってか、何やこのファンブックみたいな内容はｗ
大人になった鋭太達のエピソードだけでは本１冊を出せるほどのボリュームにはならなかったので苦肉の策ということなのか。

11年後の鋭太達を描いた短編では、南の島の駐在医師になった鋭太の元を懐かしの面々が訪ねてくる……というお話。
全然言ってた話と違うじゃん！な未来となっている可能性もちょっとはあるかと思っていたが、皆、それぞれの夢を叶えて日々に邁進していた。鋭太、立派になって……(´；ω；`)

30歳になるということで、久し振りに集まろうとなる自演乙。騒がしかった高校時代を振り返るほのぼのしたボーナスステージになるなんて、そうは問屋が卸さない。
何年経とうが、彼女と幼馴染みは激突する運命。かくして今日もまた修羅場の幕が上がる……という三つ子の魂百までコースであった。ｽﾞｺｰ

17巻がめさめさ爽やかに終わったくせに、最後の最後でまるで成長していない……！しかし、これでこそ『俺修羅』だろ！というある意味気持ちの良いフィナーレである。

総評

そんな具合でＧＡ文庫の看板タイトルのひとつだったラブコメ『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』全18巻、これにて堂々完結。足掛け丸11年。
そうか、最終巻の11年後ってシリーズが駆け抜けた実時間と合わせてあったのか。

最初は痛い厨二病を晒しながらもアツいハートを持った作品という印象から、ゆる～い変な部活ラブコメへとシフトして、アニメが終わった後は裕時さんが本当に書きたいものへと変わっていった特異なシリーズだったように思う。
シリーズの前中後期、どこを抜き出して語るかで割と印象が変わるんじゃなかろうか。

個人的には終盤のヒリヒリする重たさが独特の味わいを出していて好きでしたね。オンリーワンの面白さというか。

裕時さんは完結を機にYouTubeチャンネルを開設されたそうで。ちょろっと見に行ったけど、これ、担当さん止めてなくて大丈夫……？唐突にやべーことやらかさないか心配……。
後書きの感じだと、新作の準備をしてくれている……んだろうな……？

るろおさんの画集も出るとのこと。ＭＦ文庫Ｊ『機巧少女は傷つかない』もまとめてもらえるのか。

燃：B+　萌：A-　笑：Ａ　総：A+

シリーズリンク
・俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 17巻（2021/09）

著者リンク
・高３で免許を取った。可愛くない後輩と夏旅するハメになった。（2022/04）

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俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 18 (GA文庫)