レンタル・フルムーン 第一訓 恋愛は読みものです
著:瀬那 和章 イラスト:すきま 俊悟
「興味ないってことは、まだ他には好きな人はいないってことでしょ。これってアピールチャンスだよ。恋愛に可能性がないことなんてないんだよ。だって嫌いは好きの可能性、大嫌いは大好きの可能性なんだから」
約二ヶ月三週間半の積み。『under』を二巻でスベらせた瀬那さんの新シリーズです。サブタイトルに釣られました。
イラストは結構ラノベの挿絵で見かけるすきまさん。
正直、『under』がアレでナニだったので特に期待はしていなかったんだが、面白かった。どかんとくる面白さじゃなくてジワジワ効いてくる面白さ。
主人公の新太(あらた)は人生教訓メモを片手に平穏な読書ライフを送る高校生。読んだ本の感想をレーダーチャート付きでノートにメモしてるとかメチャンコ共感した。
で、そんな彼が古風な貸本屋満月堂を訪れ、店主の少女、満月ツクモと出会い、世界の空白を知ったことで物語が進んでいく、という構成。
貸本屋+美少女というシチュエーションがツボ過ぎます。
一応、バトルが無いではないが、基本はコメディ。ファンタジック・ラブコメディって銘打ってるけど、コメディ主体かなぁ。
ツクモは雪の女王という異名があるらしいが、『断章のグリム』には断章名にそんなのがあるんだっけか。『マギ・ストラット・エンゲージ』とのきも思ったけど、固有名詞的なものが中堅以上の作品と被ってもあんまり気にされないものなのか。
そして最後に判るタイトルの意味。はっきりと明言されているのはクルンが満月堂を英名っぽく言ったものとされているが、文脈から、欠けている月を補って満月にするという意味も込められていることが窺える。
これはちょっと唸らされた。俺の脳構造が単純なだけかもしれんが。
後書きでは『under』の続きを書く気満々みたいだけど、出せるの?
というわけで、『レンタル・フルムーン』でした。これは是非続きが読みたい。でも、世間一般で受けるかどうかと言うとなぁ……。まぁ、電撃大賞受賞者だから二三巻は出せると思うけど……。
燃:B+ 萌:A 笑:B+ 総:A
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