【ボーダー】紫ノ宮沙霧のビブリオセラピー -夢音堂書店と秘密の本棚-【感想/ネタバレ】
著:坂上 秋成(しゅうせい) イラスト:横槍 メンゴ
「私がこの世で一番嫌いなのは、自分のペースを乱されることだ。たとえ世界が虹色に輝くとしても、それが読書の妨げになるならお断りさ」
新潮文庫nex2021年5月刊行物。約1週間半の積み。『モノクロの君に恋をする』からは3年11ヶ月振り。
たまたまアマゾンで見掛けてビブリオというワードが気になったので購入。
何気に新潮文庫nex初挑戦である。カバーを外すと、特にnexのロゴは無く、普通の新潮文庫と同じ模様。ただしスピンは無し。
悩みを抱えた様々な人々が訪れるのは洋館の中に作られた不思議な書店。店主の沙霧さんはその人達の悩みを解決する糸口となる本を薦めてくれるのだが……。
悩みを抱える人々の視点で綴られる連作短編集。どっちかというとちょっとミステリっぽい雰囲気かなぁ。各エピソード毎に、あっ、そういうことか!となる構造となっていて、あまりセラピーという雰囲気ではないかなぁ。
読者に癒やしが提供されている感覚は無い。
3本の短編が収録されており、それぞれに毛色は異なるものの、どれも救いのある結末だったのは良いね。
いじめっこにドストレートに暴力でやり返すのは特に気持ち良かったな。そうそう、何が話し合いだよクソが!
3本目が実は百合百合しいお話だったのは意外。失恋エンドと見せかけてからの清々しいハッピーエンドがマル。
恋する乙女まっしぐらの早矢瀬の軽妙な語り口も良かったですね。
これは内容的には無限に続けられる構造ではあるものの、かといってインパクトの残るような作風でもないので続刊はどうだろうな……。
燃:C 萌:A 笑:B 総:A
スポンサーリンク
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません