レンズと悪魔 ⅩⅡ 魔神解放

レンズと悪魔 XII 魔神解放 (角川スニーカー文庫)

著:六塚 光 イラスト:カズアキ

「生まれてから百年とはいえ、僕達がこの世について知っていることはあまりに少ない━━八眼争覇という短い期間しか活動できなかったからね。でも、その枷が無くなった今は、ただ無目的に毎日を過ごすのもありじゃないかな、と思うのさ」
「……そうね……」「……新しく知ることがない日は、ほとんどない……」
「こうやって、知見を広めていけばいい。飽きたら、契約をやめて円盤に戻ればいいんだし。でも、飽きるまでは、彼のそばにいて、一緒に生きていこうと思うのさ」

約4ヶ月2週間半の積み。連続刊行でクライマックスです。
表紙は笑顔のエルバとルナ、と見せかけて、帯を外すと、テッキとサクラも居ます。普通帯で隠れるのは男だろう……。
口絵は前巻との対比で並び立つ、最終《八眼争覇》参加者全員集合の図となっている。これは燃える。

さて、最終決戦です。それぞれの戦いに決着がついていく。バトルの内容自体は基本的にいつも通り。

フィナーレにちゃんとページを割いてくれているのが嬉しい。
途中の鬱展開を思えば、最後は相当なハッピーエンドになったと思う。

総評

そういうわけで、バトルロイヤルな《八眼争覇》、『レンズと悪魔』全12巻、これにて完結。王道なバトルものに、著者独特のテイストを織り交ぜた展開が興味深かったです。
フィールディングの妹と弟が殺されたあたりから、どうなることかとヒヤヒヤしたが、無事ハッピーエンドで終わって良かった良かった。いや、フィールディング警部個人はハッピーエンドでも何でもなかったんだが。

あと、もう少し何かパンチがあれば良作認定したんだけどなぁ。

同時進行していた『ムゲンのセンカ』が全く音沙汰ないってことは打ち切りかな。スニーカーの作家って、そこそこ続いた作品の後に出した作品って奮わない率が高くないか?『Add』の後の『リミテッド・ヴァンパイア』とか、『バイトでウィザード』の後の『螺旋のプリンセス』とか、『アルティメット・ファクター』の後の『アンジェリック・ノワール』とか。

燃:B+ 萌:B 笑:C+ 総:A-

リミテッド・ヴァンパイア (1)髪喰鬼と吸血鬼 (角川スニーカー文庫)
リミテッド・ヴァンパイア (1)髪喰鬼と吸血鬼 (角川スニーカー文庫)

角川スニーカー文庫

Posted by お亀納豆