神曲奏界ポリフォニカ インタルード・ブラック
あたし、まだ行くよ。
みんなといっしょに、もっともっと先まで歩いて行くよ!
約2週間半の積み。11ヶ月振りの新刊。通算56冊目。シリーズ第14弾にして最終巻。『ノスタルジック・クリムゾン』と同時発売。
もう大迫さんの本は出ないとばかり思っていたが、遺作として『まぁぶる』シリーズ収録の短編と未発表の短編を収録した短編集が登場。
『まぁぶる』収録時には無かったイラストが全てBUNBUNさんによって描き下ろされている。
口絵のピンナップの大集合カットには同レーベルから刊行されていた『ゾアハンター』のキャラも登場している。
『えくすとら・ぶらっく』
未発表短編。マナガが専用の銃を手に入れた経緯が語られる。タイトルは後で大迫さん以外の人が決めたのかな。
確か『赤』の短編に『エクストラ・クリムゾン』ってあったよな。
収録順を考えると、これが一番最後が良くね?と思うんだが、何故か一番最初にある不思議。
『ぶれっしんぐ・ぶらっく』
マニエティカの結婚エピソード。『まぁぶる』1巻収録。ハートフルエピソードは『黒』には珍しい気がする。
折角イラストを描き下ろすんなら、マニエティカのウェディングドレス姿をもっとちゃんと描いてくれれば良かったのに。
『みすていく・ぶらっく』
マナガとマティアがシラホネ温泉を訪れるエピソード。『まぁぶる』2巻収録。
セヴニエールがシリーズ初登場したのって、この短編だっけか。
『さじぇすてぃぶ・ぶらっく』
GAマガジンVol.3の付録『まぁぶる すぺさる』収録。厳密には文庫初収録という扱い。
まさかのニウレキナ再登場短編。再調整後の姿もちゃんと描かれています。
『れおん・ざ・りたーなー』
『まぁぶる』2巻収録。この本、唯一の『レオン』編。こちらもやはりレオンとその取り巻きの女の子達がシラホネ温泉に行くエピソード。
セヴンとの会話で、レオンにはまだまだ語られていないエピソードがあったことを思い出した。一応、『レザレクター』は完結したけどなぁ。惜しいなぁ。
挿絵は何故かBUNBUNさんが担当。忍さんのスケジュールの都合なのか、1冊の本に複数の絵師を混在させるのが手間なのか。
追悼文
後書きに変えて、日高さん、榊さん、BUNBUNさん、忍さんによる追悼文及びイラストを収録。
で、最後に上述のマティアの台詞ですよ。ここまでは割と冷静に読んでたんだけど、最後の2行を読んだら、もうアカンかった。通勤途中の電車の中だったんだけど、朝っぱらから号泣しそうになりました。
最後の演出考えたの誰だよ。
総評
そういうわけで、大迫さんが癌で逝去されたため、『神曲奏界ポリフォニカ ブラック』シリーズ全14巻、『神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・ゴールド』シリーズ全1巻、これにて終了。
マナガ達が他シリーズに顔を出すことくらいは今後もあるかもしれないが、著者を変えてのシリーズ続行はどうも無さそう。
正直、気取った文章や後書きは好きではなかった。それでも、その刊行スピードとアイデアの量で『ポリフォニカ』というシリーズ全体を支え、面白い物語を展開させていた大迫さんが好きだった。
何も亡くなることはなかったのに。もう、あの気取った文章が読めないのかと思うと、泣けてくる。
謹んでご冥福をお祈り致します。
次は『リグレット・ホワイト』。
燃:B+ 萌:A- 笑:B- 総:S-
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