調停少女サファイア <1>

調停少女サファイア1 (富士見ファンタジア文庫)
著:瀬尾 つかさ イラスト:優木 きら

「そもそも竜が司った調停とは、悪いものとより悪いものを比べて、被害が比較的少ない方を選ぶという行為なの。妥協の積み重ねなの。そこに正しいものがあるとしたら、関係者がおおむね満足できることなの。竜の役割は、他人を満足させることなの。だったらエオンは、今回、みんなを満足させているの。だからエオンが満足できないのは、ただしくないことなの」

ファンタジア文庫2011年6月の新刊。約2ヶ月2週間半の積み。瀬尾さんが『白夢』の4巻完結から11ヶ月振りに復活して送る新シリーズ。
ドラマガのお試し短編がちょっと面白かったので買ってみました。
瀬尾さんは最近は一迅社で、ちょこちょこ単発ものを書いてたりする。
イラストはファミ通文庫『ガブリエラ戦記』でお馴染みの優木きらさん。

さて、舞台はヒューマンを始めとした様々な種族が共存する世界。そんな世界を旅するヒューマンの少女サファイアと竜の最後の生き残りエオンが、種族間のイザコザを調停する……というお話。

冒頭にはドラマガに掲載された短編がそのまま収録。その後は普通の長編になってます。

調停という要素にスポットを当てているのが面白い。バトルは二の次。
最後もサファイアの活躍の背景でバトルしてるしなw
調停の終わりに、さくっと勝利したし。

今思えば、富士ミスがあれば、そっちから出たんじゃないかって気もするな。更に、今思い出したが『武官弁護士エル・ウィン』がかなり雰囲気近いんじゃないかな。って、『エル・ウィン』とか超懐かしいな。

LOVE寄せも多少あります。ホントに多少だけど。
あとは、メジャーとかモードとか、およそファンタジーらしからぬ単語が時々出て来るんだけど、これは意図的なのか、単に語彙が足りないのか。

ってなわけで、『調停少女サファイア』1巻でした。
あくまでも調停がメインというスタンスを崩さなければ面白くなるんじゃないでしょうか。

ランクは期待ageです。
次は2011年9月。様子見かな。

燃:B- 萌:B+ 笑:C 総:A

シリーズリンク
調停少女サファイア <2>(2011/09)

著者リンク
宇宙をかける少女 上巻(一迅社文庫、2009/06)
スカイ・ワールド #01(2012/04)