三流木萌花は名担当! <2>

三流木萌花は名担当! 2 (MF文庫J た 5-9)

著:田口 一 イラスト:をん

「━━私は、『売れる』本も『売れない』本も、『良い』とされる本も『悪い』とされる本も取り扱い、全国の書店さまに販売していただく。なぜだかわかるか」
「え、ええと……なぜでしょうか……?」
「本の価値を決めるのは私たちではない。読者だからだ」
「━━だからな、華撫(かなで)。お前がどの本を愛読しようと、私は誇りに思うこともなければ、恥に思うこともない。お前が読んだ本の価値は、お前自身にしか決められないのだ」
「じゃあ、わたくしは……恥ずかしがらなくてもよいと……?」
「読んだ本が好きになったのなら、その気持ちに自信を持て」

約二週間半の積み。三ヶ月振りの新刊。表紙は制服の下にスク水を着こんだ萌花さん。本編と全然関係無いイメージイラストだよ!
前巻から思っていたが、ゼッケン付ける位置おかしくねぇか……?

さて第二巻。二巻の原稿を執筆するために、夏休みを利用してカンヅメを敢行する孝一と萌花さん。ここに一巻では殆ど触りだけだった二人のサブヒロイン、風見鶏さんと姫さんを加えてストーリーが展開するのかと思いきや、一気に二人ヒロイン増えたーーーーーーーーーーーーーーーーー!!??

今回は作る話であると同時に、売る話でもある。ということで、ラノベ専門店の娘さん、本谷(もとや)さんと大手取次会社の娘、華撫さんが登場。
そう、売るという部分にかなりウエイトが置かれており、版元と取次と書店の関係性が説明されていたり、売り場面積でどーのこーのといった耳が痛くなるような話までわんさか。
勿論、フィクションなので脚色は入っているだろうが、これは勉強になる。
ただ、配本指令室での配本数決定のシーンはやんちゃ過ぎて腹筋割れるかと思った。途中から『エヴァンゲリオン』じゃねーかw

ラノベ専門店ノベラーズRUNでは十年以上前の作品や一般文芸に進出した作家さんの作品、更に題材になり易いSFや科学の本まで取り揃えられているらしい。

ここで働きてぇええええええええええ

ええええええ!!!!

一巻と同様、章扉には架空のラノベ紹介が。「ぱん×ぶら」が読みた過ぎる件。

いやしかし、これは面白い。ラブコメというオブラートが掛けられているけど、出版業界の流通にスポットを当てる素晴らしい作品だと思う。
正直、二巻でブレーキ踏んだら嫌だなぁと思っていたんだが、ブレーキどころか更にアクセルがかかった感じ。Sランクも夢じゃなくなってきた。

最後は三巻へと続いてます。

燃:B+ 萌:A+ 笑:A 総:A+

MF文庫J

Posted by お亀納豆