【小説】角川文庫版 覘き小平次【感想/ネタバレ】
著:京極 夏彦
「幽霊はちゃんと居るぜ。祟りは━━怖ェぞ」
角川文庫2008年6月刊行物。約2ヶ月2週間の積み。6年7ヶ月振りの新刊。『後巷説百物語』からは1年2ヶ月振り。
江戸怪談シリーズ第2弾。いずれ読みたいな~とはずっと前から思っていたが、この度ようやく着手。
表紙のおどろおどろしいことよ。『伊右衛門』も『井戸』も普通の人間が表紙になっていたのに何でこの本だけガチの妖怪みたいなビジュアルなんだ……。右目どうなってんだよ……(´;ω;`)
幽霊の芝居をやらせたら右に出る者無しと名高い男、小平次。しかしそれは芝居が巧みなのではなく、小平次自身の気質によるものだった。小平次の周囲の人々は小平次の姿に様々なものを見出していき……。
小平次は何もせず、ただそこにいるだけなのに周りが勝手にあれこれ解釈して気付きを得たり、苛立ったりするのが滑稽でもあり気鬱でもあり。
いつものパティーンで群像劇からの大量死という結末。三作中、唯一主人公が生き残る形か。多作に輪を掛けて陰気な主人公だっただけに意外よねぇ。
嫌いだ嫌いだと言いながら小平次と一緒に居続けるお塚さん、実はツンデレなのでは……?
燃:B- 萌:C 笑:C 総:A+
シリーズリンク
・角川文庫版 嗤う伊右衛門(2001/11)
・角川文庫版 数えずの井戸(2014/08)
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