【ラノベ】嫉妬探偵の蛇谷さん【感想/ネタバレ】
著:野中 春樹 イラスト:pon
「私、死にかけの蝉の声ってとても好きなの」
ガガガ文庫2024年9月の新刊。約1週間の積み。第18回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作品。応募タイトルまま。
何となくタイトルが気になって買いました。
思ったことがすぐ顔に出てしまう体質の高校生、野水君は園芸部所属の蛇谷カンナ先輩と出会う。蛇谷先輩は美しい見た目に反して、すぐに人に嫉妬する捻くれ者。その嫉妬心はやがて相手の醜い本性を暴き出して……。
嫉妬という感情がどう探偵に繋がるのか、というところが興味を惹かれるポイントだったんだけど、うーん、あまり嫉妬とミステリが連結していないような気がするねぇ……。
嫉妬心が上手く転がって事件解決の糸口になるって建付けなら良かったと思うんだけどな。
いわゆる日常ミステリの連作短編形式なんだが、犯人が割としっかりクズっていうのが意外なような。こういうのって普通お互いに悪いところがあったよね、水に流そうねだとか、性格悪い奴だけど破滅すべきってほどじゃないとか、そういう落としどころにするんじゃないのかよ。
こういうクズ共を推理で追い詰めていくシーンは気持ち良かった。後先考えず追い詰めてるから危なっかしいけど。
野水君と蛇谷先輩のラブコメ模様はもうちょい踏み込んでほしかったね。ここから美味しくなってくる頃合いだろってところで終わってしまってるので、そういう意味では2巻は読もうかなと。年上ヒロインにしたのは大正解過ぎる。
小森先生がいざという時にめちゃんこ格好良かったのも評価点。
燃:C 萌:A 笑:A- 総:A
小学館ライトノベル大賞優秀賞リンク
・今日もオカリナを吹く予定はない(第3回、2009/07)
・下ネタという概念が存在しない退屈な世界(第6回、2012/07)
・弱キャラ友崎くん Lv.1(第10回、2016/05)
・ドスケベ催眠術師の子(第17回、2023/08)
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