【ラノベ】ロクでなし魔術講師と福音後記【感想/ネタバレ】

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著:羊 太郎 イラスト:三嶋 くろね

(イヴのやつって、男ができると途端、ダメになるタイプの女だよな……)

2025年3月の新刊。約5日の積み。5ヶ月振りの新刊。
まさかまだ『ロクでなし』の世界を楽しめるなんて思いもせなんだ。
タイトルの「福音後記」は「アフターレコード」と読み、グレンとそれぞれのヒロイン達との未来が描かれる短編集となっている。
近年、そういうのが流行りなのかしら。

表紙の魔導考古学者として成長したシスティーナ、めちゃくちゃ美人さんじゃない……。
全編書き下ろしかと思いきや、一部を除いてドラマガ連載だったのね。

開幕はまさかのナムルス編。まさかヒロインの1人として扱ってもらえるとは……。
数多の次元を巡って正義の魔法使いとして、ふたりきりの旅を続けるというある意味究極のロマンチックなストーリーで良い……。
ナムルスの重たい愛も可愛らしいですねぇ。

イヴ編では、グレンと恋人関係になったイヴのダメ人間っぷりがとても可愛い。何となくそんな予感はしてたが、この人も愛が重たい……w
この短いエピソードの中でも、もう周囲にバレつつあるのでボロが出るのが時間の問題であろうw
いやしかしイヴのピンチに愚者の世界を起動させながら飛び込んでくるグレンの格好良さよ。

リィエル編は、各短編の中でグレンとヒロインとの関係性が一番進んでいたな。結婚しているどころか子供を3人こしらえているという……。
この子供達と周囲の人々の関係性も想像を膨らませる余地がありまくりんぐでニコニコしちゃうね。

ルミア編は、ルミア自身の振る舞いは至極真っ当なヒロインという感じで。むしろアリシア七世とレニリア王女の暴れっぷりの方が印象的であった。アリシア七世、本編での凛々しいお姿はいずこへ……w

システィーナ編では、グレンのことを一途に思い続けていたシスティーナにグッときましたねぇ。1人に1毎ずつ用意されている扉絵で、1人だけサービスカットをカマしてるのあざてぇ……。

連載ラストはシスティーナ編という構成となっており、書き下ろしとしてセリカ編が。グレンに告白されて赤面してるセリカ可愛いな……。
文庫の構成では大トリがオカンなのだが、それはいいのだろうか……w
ナムルスとイヴの間くらいに挟めばよくなかった?

同じく書き下ろしグランドエピローグでは生まれ変わったグレンとセラが運命の再会を果たすシーンとなっていて、これは良い塩梅。他のヒロインを食ってしまうこともなく、かつセラという存在の大きさも示している。
失った生命は戻らないけれど、来世ならもしかしたら……という希望を感じさせる素敵な幕引きじゃない……。

な~んだ、本編でどのヒロインとの関係性をフィーチャーしなかったのはこのためだったのか~!と思ったんだけど、後書きの口振りだと読者に委ねるスタンスのところを売り上げが良かったので出した、みたいな感じっぽいな。
原作者が書いた二次創作って主張してるが、次元樹の設定がある以上、原作者がタッチしてたらほぼほぼ公式なんだよなぁw

どのルートも長編に出来そうなくらい魅力があって楽しかった。そうそう、本編と『追想日誌』が完結して唯一心残りだったヒロインとの関係性を深掘りしてくれたこと、感謝しかないですよ、えぇ。

『魔法使いの切り札』を放っておいて、『ロクでなし』を2冊出すなんて大丈夫なのかとちょっと心配になっちゃうね。新シリーズを軌道に乗せる方が先では……。次は『魔法使いの切り札』が出るっぽいな。

燃:A 萌:A+ 笑:A 総:A+

シリーズリンク
ロクでなし魔術講師と追想日誌 11巻(2024/10)

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ロクでなし魔術講師と福音後記 (ファンタジア文庫)