輪環の魔導師10 輪る神々の物語
「君には滑稽に見えるのかもしれないけれど━━僕らにとって、 人生は短く有限だ。たとえ傍目には繰り返しに見えたとしても、僕ら自身にとって、自分の人生は最初で最後のものだよ。生まれ落ちてから死ぬまでに与えられ る、決して公平とはいえない一度きりの時間を使って、それぞれの旅をしていく━━それは決して、無意味な繰り返しなんかじゃない。人の世界は、輪環のよう にただ回り続けているように見えても、実際には螺旋のように少しずつ進んでいるんだと思う」
2012年8月の新刊。約1ヶ月半週間の積み。実に1年振りの新刊。
渡瀬さんって、執筆速度がもうちょっと早かったら、もっと知名度も人気も上がってる気がするなよなぁ。
さて、シリーズ史上最大のボリュームで送る最終巻。聖神イスカの暴走、それを喰い止めようとするセロ達、イスカを取り込もうとするウィスカと、戦いは三つ巴の様相を呈していく。
ラストというだけあって、バトルに次ぐバトルといった感じで。設定的なネタばらしはあんまり無かったかな。
一部では打ち切り完結かとも言われてるけど、概ね綺麗にまとまっていたと思う。最終的にはハッピーエンドだったしな。
いや、打ち切りじゃないかと言われると、打ち切りっぽい部分あるけど。ブレンダイル皇国編が無いのは惜しい。
後書きによると、時系列は大罪戦争→『パラサイトムーン』→こっちの本編らしい。
大罪戦争が全ての発端だったってのは判ってたけど、本編は明確に『パラサイトムーン』より後なのか。
総評
ってなわけで、昨今のラノベでは珍しいガチファンタジー『輪環の魔導師』全10巻、これにて完結。足掛け4年9ヶ月か。
迷宮神群の名前が出て来ただけで、おじさんフルボッ〇と言わざるを得ない。
どうせなら、もっと『パラサイトムーン』と密接に絡んでいてほしかったんだが。
ざっくり言うと、猫とヤンデレと迷宮神群から成り立っていたようなシリーズだった。
だから一度でいいから、渡瀬さんには頭の悪いラブコメを書いてほしい。
事あるごとに、『パラサイトムーン』の続き書きたいって言ってるし、編集もその発言を許してるんだから、シリーズ復活、ワンチャンないかなぁ。
ウィスカと再会したエスハールが再び、『パラサイトムーン』の世界で、やんちゃする、みたいな具合で新章始まらんかな。
電撃文庫では難しいかもしれんけど、メディアワークス文庫ならあるいは……。かといって、迷宮神群の設定は電撃文庫向けだしなぁ。
まぁ、いずれ続きを書いてもらえるように、次のシリーズも買い支えていかねばな。『陰陽の京』はどうするか悩むところだけども。
燃:A 萌:B+ 笑:B+ 総:A+
シリーズリンク
・輪環の魔導師9 神界の門(2011/08)
世界観リンク
・ストレンジムーン 宝石箱に映る月(2013/06)
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