アスラクライン⑬ さくらさくら
著:三雲 岳斗 イラスト:和狸 ナオ
「祝福のキス、だよ。それからこっちは、大好き!……のキス」
うわぁあああぁあああああああ!!
約一日の積み。七ヶ月振りの新刊。アニメが始まったから刊行ペースが上がるだろうと思っていたけど、全然そんなことはなかったんだぜ。
表紙は操緒&奏っちゃんということで新装カバー対応表紙。今までの賑やかな表紙が好きだったんだけどなぁ。
ダブルヒロインが同時に登場、タイトル、粗筋に書かれている「クライマックス」と、完結とは何処にも書いてないが、最終巻らしき要素があり過ぎてドキドキしました。
この一冊だけ、表紙の構成を変えるというのは、きっと既刊十二冊を持っている読者にももう一回買わせるための戦略なんだろうか。思いっきり釣られましたが何か。
プロローグでは遂に操緒が《黑鐵》の副葬処女になった経緯が明かされる。操緒は殆ど最初から肝心要の部分は知ってたんだな。健気過ぎて泣けてくる。
二巡目の世界へと戻ってきた智春達は、こちらの世界にも現れた“神”に衝撃を受ける。炫部長は北半球全域の人間の生命を生け贄に発動する魔術で“神”を撃破した後、《鋼》の力で三巡目の世界を創ろうとしていた。
実は生きていた朱浬さんから語られる彼女の秘密。彼女が本当は紫浬というのは以前から示唆されていたが、真実はそれよりももっと複雑だった。ちゃんと解説されても、まだ頭の中でこんがらがってるw
また、存在すること以外は一切謎だった真日和の契約悪魔、風斎美里亜(かざとき・みりあ)が遂に登場。こういう細かい疑問点を放ったらかしにせず解消してくれるのが嬉しい。
で、学生連盟を配下につけた炫部長との決戦。遂に魔神相剋者となった智春はこれまでに出会った人々の協力を得て、最後の戦いに挑む。
敵味方合わせて、まさにオールスターと言わんばかりの展開で、これが燃えずに居られるかッ!!
樋口のファインプレーとか、すっかり影の薄くなっていた六夏会長とひかり先輩の活躍とか。杏にまでちゃんと出番が用意されている隙の無さ。
佐伯兄の格好良さは異常。
その後も智春と奏っちゃんの間に生まれた使い魔ペルセフォネの登場、炫部長操る《鋼》との激突など盛り上がりっぱなし。
どうやら、あくまでもラスボスは炫部長だったようで、“神”はストーリー展開上必要だっただけのおまけみたいなもんでした。
“神”を倒しにいくときに操緒が放った上述の台詞がもうね、何て言うかね、消し飛びそうになったとしか言いようがありません。ここ数巻、奏っちゃんがリードしていた印象だったけど、やっぱり真のヒロインは操緒なんだなぁ。
そして物語の視点は長らく出番の無かった智春の義妹、和葉へとスイッチする。今まではずっと智春の一人称で進んでいたのに、何故か?
更に、和葉の傍に居る副葬処女らしき少女は何者なのか?という謎を抱えたまま、エピローグへ。
季節は巡り、春。洛芦和高校への入学が決まった和葉は鳴桜邸へと引っ越してきた。副葬処女っぽい女の子は咲華(さいか)という名前らしい。また、和葉の友人、喬香(きょうか)も登場し、シーンは完全に一巻冒頭の再現となる。
ついこの間読んだばっかりだから、そのまんまなのがよく判る。
そこへイクストラクタを持った奏っちゃんがやって来るという流れ。智春はヨーロッパの小国に交換留学しているそうな。操緒を生き返らせるヒントを探しに行ってんのかな。
問題は和葉がいつの間にか演操者になっているんじゃないかってことですよ。一瞬、《黑鐵》が受け継がれたのかと思ったけど、最終決戦時に既に咲華が和葉の傍に居たことを考えると、新しい機巧魔神が出て来るんだろうか。
と、まさかの第二部スタートの予感にwktkが止まらない状態で本編終了。
後書きで、今後、短編や後日談をやると明言しているので、メチャクチャ楽しみです。
そう言えば、ウィキぺディアを見ていて知ったんだけど、冬流会長の元演操者のナンバーは106、佐伯兄は046と名前の語呂合わせになってるんだな。ってことは番号は特に意味は無いんだろうか……。
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