スノウピー1 スノウピー、見つめる

スノウピー1 スノウピー、見つめる (富士見ファンタジア文庫)

著:山田 有 イラスト:狐印

「とにかくわたし、あなたとそのひとの話を聞きたいの」
「ふたりはどんなふうに出会って、どんなふうにきずなを深めたの?どういう段階まで進んでいるの?なにがふたりをそうさせてしまったの?いったいぜんたいどうなってるの?TVでは放送しない詳細とか、カメラで追いきれない仕草もふくめて、きちんとくわしく話して聞かせて」

約3日の積み。現代が舞台という条件の第1回ネクストファンタジア大賞銀賞受賞作。
イラストはMF文庫J『かのこん』やGA文庫『這いよれ!ニャル子さん』でお馴染みの狐印さん。ファンタジアに登場するのは『君の居た昨日、僕の見る明日』以来だから、かなり久し振り。
完全にスノウピーのキャラデザに釣られただけです。凄い綺麗な色使いだと思うの。

世界をななめから見ているように思われがちな主人公“僕”と異世界からやって来た少女スノウピーの心の交流を描くハートフルコメディ。
“僕”のことが好きで好きで仕方ない可香谷(かがや)さんも合わせて、一応ダブルヒロイン体制なんだけど、LOVEはかなり薄目。

スノウピーは好奇心旺盛で、その場凌ぎな答えや冗談を言うと、物凄く食いついてくるくせに、興味の無いことはばっさり切り捨てたりする、ちょっと面倒臭い女の子。
とは言え、別に冷淡というわけではなく、ちゃんとした心を持っている。これはデレたときの破壊力が大きそうだぜ……!
読んでる内に勝手にスノウピーの声が能登麻美子さんに変換されてしまうワナ。

最後は話をまとめるために盛り上がりが用意されてるんだけど、“僕”とスノウピーと可香谷さんが日常生活を送ってるだけで楽しかったので、そんなクライシス要素は要らなかったなぁ。じゃあ、どう終わらせるんだって話だけど。

章タイトルに『這いまわるもの』ってのがあるんだけど、わざとだろw
ちょっとドキッとしたわ。

そういうわけで、『スノウピー』でした。最近のファンタジアはちゃんと1巻と書いた作品に関しては続刊を出してくれる傾向にあるので、最低でも後1冊は読める筈。
LOVE寄せすれば一気に面白くなると思うの。

燃:C 萌:A- 笑:B+ 総:B+

シリーズリンク
スノウピー2 スノウピー、憤慨する(2010/09)

著者リンク
変態先輩と俺と彼女 <1>(2011/08)

イラストリンク
這いよれ!ニャル子さん(GA文庫、2009/04)
できそこないの魔獣錬磨師(ファンタジア文庫、2015/01)

第1回ネクストファンタジア大賞リンク
ヘヴンズ・ダイアリー <001>(金賞、2010/03)