吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる⑤

吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(5) (ファミ通文庫)
著:野村 美月 イラスト:竹岡 美穂

この日綾音さんはずっと、エロくて可愛くて、エロくて、エロくて、エロかった。

どんだけエロいねん。
2015年8月の新刊。約11ヶ月2週間の積み。4ヶ月振りの新刊。『下読み男子と投稿少女』からは隔月刊行。

さて、今回は予告通り連作短編集形式でバレンタインデーから卒業式シーズンまでが描かれていく。
まぁ、恋人同士になった詩也と綾音さんのイチャつくことイチャつくこと。いち子女史に交際禁止と言われても逆にそれで燃え上がるから始末に終えない。

すっかり偲先輩の恋の相談相手になってしまった詩也。偲先輩、やることなすこと裏目に出て、段々可哀想になったきわ……。

詩也を巡る恋愛事情は更に混迷の様子を見せ始め、かくして新たな舞台の幕が上がる。これにて前半戦は終了し、物語は核心へと━━━━というところで打ち切りだよ!やったー!

野村さんが後書きで物凄い謝り倒してるやないですか……。とても畳める気がせず、打ち切りに対応する終わり方はさせていないとのこと。

何がいけなかった?エロ要素を従来より多くしたこと事態は間違いじゃなかったとは思うんだけど、いかんせん野村さんと竹岡さんの作風にマッチしなかったのが問題か。
後は演劇という要素のとっつき難さと、爽やかスポーツマン主人公である詩也に感情移入し辛かったというのがウィークポイントだったのかなぁ。

野村さんだからこそゴーサインが出たんだろうけど、思っていた以上に厳しかったってことなのか。
『この恋と、その未来。』が打ち切られた森橋ビンゴさんも書いていたけど、編集部は悪くないって凄ぇ庇ってるのな。いや、そりゃ後書きで編集部批判するわけにはいかんだろうが、わざわざ庇うようなことを書いているってことは本当なのかなーと。

何らかの形でまとめたいと言っているのが、この後刊行されたソフトカバー本だと思うので、総評はそれを読んでから書きたいと思います。
せめて、この後に待ち受ける哀しみは説明してほしいところだが……。
これにより前倒し執筆作業が出来なくなったそうな。あちゃー。これはやってしまいましたなぁ……。

人気作家のシリーズは打ち切るわ、かといって新シリーズを伸ばすつもりも見えないし、最近のファミ通文庫どうなってるんですか。
ファンタジア文庫なんかも打ち切るのは早いが、その分、育てるシリーズはちゃんと育ててるからなぁ。

と思ったけど、シリアルコード付きソシャゲのノベライズ出しとけばOKみたいな風潮になりつつあるのかもしれん。KADOKAWAに統合されたから、オリジナル作品を無理して出し続ける理由も無いのかも。

次は2015年9月に『ドレ僕』8巻、11月に新シリーズ『楽園への清く正しき道程』1巻、2016年1月に2巻、5月に3巻、9月に4巻。

燃:C 萌:A 笑:A- 総:A

シリーズリンク
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる④(2015/04)
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる ~Long Long Engage(2016/02)

著者リンク
下読み男子と投稿少女 ~優しい空が見た、内気な海の話。(2015/06)
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 <8>(2015/09)

 

ファミ通文庫

Posted by お亀納豆