ホラーアンソロジー1 〝赤〟

ホラーアンソロジー1 “赤 著:綾里 けいし、舞阪 洸、榊 一郎、田尾 典丈、西野 吾郎(せいの)、竹岡 葉月
イラスト:かる、飯田 のぎ、カラクリ シオン、Ixy、みやび あきの、しらび

……可愛い年上にこうも真剣に謝られると、すべてを許してしまいそうだ。
いやいや、今回のことは許していいのか?
いや、いいわけが━━ある!

ファミ通文庫2012年7月の新刊。約1週間の積み。
2011年の夏にFBonlineで展開された企画が、書き下ろしを加えて文庫化。しかも、今回は2分冊構成だ!
絶対文庫化してくれるって、あたし信じてた!

ホラーとか言いつつ、表紙の女の子が可愛いから困る。
ファミ通文庫は、こういう手間が掛かる割に、売上のあんまり見込めなそなものをちゃんと文庫化してくれるから嬉しい。
電撃は一時コラボ企画の文庫化をやったけど、その後ぱったりとしなくなったしなぁ。

扱いとしては、ファミ通文庫のアンソロジーシリーズらしい。ずっと前に出たコラボアンソロジーも一緒に括られている。

FBonline掲載時のカラーイラストは恐らく全て口絵に収録。挿絵は全点描き下ろしかな?

『猫ノ手ノ子』

FBonline掲載。『B.A.D.』でお馴染み綾里さん。
他の作家さんが、不慣れなホラーを書く中で、1人だけホームグラウンドな件。何で、トップバッターが4番打者なんだよw
大トリとまではいかなくても、せめて今巻の最後にすれば良かったのに。

案の定、1人だけハシャいだ内容になってる。
他の人は、そこそこ明るめのテンションから落としていってるのに対して、綾里さんだけ最初からホラーのテンションじゃねーか。どこがライトホラーだよw

にしても、気付けば『B.A.D.』って、もうシリーズ10冊くらい出てるんだな。冊数だけで言えば、十分アニメ化圏内だよなぁ。内容的に難しいだろうが。

『肝試しの夜、二人は』

書き下ろし。『ガブリエラ戦記』の舞阪さん。ホラーというかヤンデレというか。いや、ヤンデレ自体がホラーなのかもしれんけど。
そもそも、これはヤンデレではないのかなー。イメージ的には『化物語』のガハラさんみたいな感じで。

『ヴァーティカル ~頭上の悪魔~』

FBonline。『その男、魔法使い“A”』の榊さん。安心の手堅さ。
また、一人称文体か。短編だと、その方が書き易いんだろうか。

ホラーだっていうのに、また、それの下敷きをしっかり作っているというか。まぁ、理由付けがしっかりしているからこそ、恐く思えるのかもしれんけど。

『こびとのげえむや』

FBonline掲載。『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』の田尾さん。本人の実体験を元にしたゲーム業界の話。
何で、ちょっと可愛い系のIxyさんのイラストなんだよ。出血とかとは別ベクトルの怖さじゃねーかw

イラストこそ無いものの、年上のお姉さん的ポジションのチーフが堪らんです。妄想が凄い勢いで膨らむ。

『幽霊トンネル』

書き下ろし。『SHUSHI-BU!』の西野さん。タイトルの捻りの無さに泣いた。
内容的には、一番ライトホラーという、お題を守っている気がするが、児童書でやれ、と言わんばかりの仕上がりでなぁ。
まぁ、他の参加陣からすると、経験の足りなさで負けているという部分はあるか。

ってか、著者プロフィールに新作も期待って書いてあって気付いたんだけど、『SHUSHI-BU!』って2巻で打ち切り完結してたのか……。

『アイノサイノウ』

書き下ろし。『百億の魔女語り』の竹岡さん。何なんだろう、ライトホラー→ヤンデレって繋がり易い思考なのだろうか。
まぁ、そりゃラノベである以上、可愛いヒロインというのが前提条件としてあるからなぁ。

普段ラノベ読んでる感覚で読んでると、最後の方の展開で足元を救われる気分に。
ハッピーエンドなわけないんだけど、ついつい期待しちゃうよね。

まとめ

ってなわけで前半戦『“赤”』でした。普段、ホラーなんて読まないからか、結構楽しめた。
作家ごとの切り口の違いを比較するのも楽しいかも。
次は2012年8月に2巻『“黒”』。

最近、FBonline見るのサボってたんだけど、今久し振りに見たら、また特別企画やってるのね。
文庫化に期待して端から読まねぇぜ!(ぉ

燃:C 萌:A 笑:B 総:A+

シリーズリンク
ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール(2011/07)

ファミ通文庫

Posted by お亀納豆