【ラノベ感想】災厄戦線のオーバーロード <3>
著:日暮 晶 イラスト:しらび
「━━ここはあたしの絶対領域だ」
「たとえ何が相手でも━━絶対に防いでみせる!」
2015年8月の新刊。約1年4ヶ月1週間の積み。4ヶ月振りの新刊。えっ、この本出たの2015年なの!?16年の夏くらいじゃーねのかよ……。こわい。
ピンナップには勿論、劇中には全く無い温泉サービスカットが。この手法、どうなんだろうなー。明らかに劇中と関係無いとハッキリ判るサービスカットならまだしも、さも本編中にこういうシーンがありますよ的な載せ方はいかがなものかと……。
数万を超えるグラフが実体化、日本各地で襲撃が始まる。総力をあげて迎え撃つホワイトキャンバスだったが……。
一応、前振りはあったものの唐突過ぎるクライマックスで最終巻です。5巻くらいやった上でこの展開だったら、いよいよ大詰めか……と思えるんだが、いかんせんやるのが早過ぎる話なんだよなぁ。
群像劇テイストは今回も健在。健在どころか、この期に及んで、まだキャラ増やす気なのかよw
色々と脇役の設定、考えてあったんだろうなー、書きたくて仕方がなかったんだろうなーという感じがする。
ただ、最終巻である以上、銀と琴音の関係に焦点を絞った方が綺麗に終われたんじゃないかと思わないでもない。いや、ちゃんと2人の関係にも決着がついてるから、やるべきことはちゃんとやってはいるのだが。
タイトルになっている「オーバーロード」も劇中に登場し、最終巻としての要件はしっかりと満たしている。
それだけに3巻で終わってしまうのが惜しい。
総評
そんなわけで第27回ファンタジア大賞金賞受賞作、雑魚を最強に育てる『災厄戦線のオーバーロード』全3巻、これにて打ち切り完結でござる。足掛け7ヶ月。
近年の作品の中では割としっかり能力バトルをしていた方なのではなかろうか。銀の〈七式〉は非常に厨二臭い能力で大変よろしかったかと思います。
ただ、男性読者の感情移入先として銀は爽やか過ぎたかなー。
群像劇もキャラ数が多過ぎて、巻数を重ねないと活かし難い部分が多かったよな。スロースタートせざるを得ない構成だったのもキツかったか。
次は2016年11月に新シリーズ『この旅の果ては、約束と救済と嘘の場所』。
燃:A- 萌:A 笑:B- 総:A-
シリーズリンク
・災厄戦線のオーバーロード <2>(2015/04)
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