【ボーダー】君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった【感想】
著:筏田 かつら イラスト:U35
これは己の業(カルマ)との戦いなんだ。不運の星に取り憑かれた俺の、真の実力(バッドラック)を占ってやる。
格好良い……。
2018年3月の新刊。約1週間の積み。献本を頂きました。有り難うございます。
『君に恋をするなんて、ありえないはずだった そして、卒業』の完結から8ヶ月、久美子さんルート書き下ろしてくれって言ってたら、彼女にスポットを当てたスピンオフが登場。やるじゃない。
まぁ俺が本当に読みたいと思ったのは靖貴との話なのだが。
広島の大学に通う主人公、柏原玲二は運の悪さがコンプレックス。自分を振った彼女の家を訪ねても既に彼女の姿は無く、代わりに出て来た久美子さんと不思議な縁で繋がってしまって……。
玲二、劇中での描写とイラストが全然一致せんな……。線細過ぎじゃない?
わざとそういう作りにしたらしいが、玲二の不幸属性がちょっとクド過ぎるかなー。やり過ぎて、かなりラノベ寄りの演出になってしまっている印象。
それにつけても久美子さん、モテ過ぎ問題である。ただ、どうにも前作に登場していたときの彼女のイメージと繋がらないんだよなぁ。
同じ人物でもどの視点から見るかによって、印象が変わるということか。
ちょっと感情の流れが唐突に感じてしまったかなぁ。行間が読めてないだけもしれんが、どうにも玲二にしても久美子さんにしてもアクションが唐突というか……。
中盤まではそうでもないんだけど、クライマックスに入る前からがバタついているというか……。
何だろう、恋愛模様に絡むキャラが多い割には1冊で締めてるから、そう感じるんだろうかね……。そのためか甘酸っぱさは薄味か。俺はもっとダダ甘いのが好きなんですよねぇ。
食わず嫌いはATMの時間外手数料くらい損だって話があるんだけど、何か微妙な表現じゃないか?劇中では結構重たい損失という風に言われているように思うが、大して重たく聞こえないんだよな……。
玲二の妹が漫画を描いている関係で、章間には漫画のシナリオのようなものが。また行間にはストーリー展開に合わせたアイコンが置かれていて、妙に凝っている。これ1種類ずつ配置するの大変だっただろうな……。
取材協力者の中にしれっとはまだ語録さんが入ってるの草。編集部繋がりで話聞いたんだろうか。
これは他のキャラに焦点を当てながら、どんどん展開していくつもりなのかしら。webで公開されている恵麻のお姉ちゃんの話は文庫化せんのかな。分量が少な過ぎるけど。
燃:C 萌:A 笑:A- 総:A
シリーズリンク
・君に恋をするなんて、ありえないはずだった そして、卒業(2017/07)
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君に恋をしただけじゃ、何も変わらないはずだった (宝島社文庫) | |
筏田 かつら
宝島社 2018-03-06 |
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