羽月莉音の帝国 <3>

羽月莉音の帝国 3 (ガガガ文庫)

著:至道 流星 イラスト:ニノ膳

「命の危険だと!?ふざけるな、ふざけるなよ巳継。笑わせるな。人生なんて端っから死と隣合わせだ。たかだか多少の危険が増えたからと言って、革命部の大舞台から逃げ出すヤツはバカなんだ」
「……」
「ガキのころから感じていた。莉音について行けば、いつかきっと、大きな花火をぶち上げてくれるのだと。だからこそ俺たちは、ずっと莉音の魅力に惹かれてきたのだろう?巳継、お前だって同じはずだ。俺たちは、莉音の歩むその先に、何があるのか知っている」

約2日の積み。3ヶ月振りの新刊。あれ、表紙は柚さんじゃないの……?何故、ここにきて法則性を粉砕したし!

さて、アクアス買収編の続きです。その最中、莉音が倒れてしまい、革命部は4人での戦いを強いられる……というお話。
それぞれが莉音に頼りっぱなしだったことを自覚し、自分達に出来る最善を尽くそうとする展開に燃える。その中でも、特に恒太が格好良い。
アクアスの買収が成功したときの男泣きには思わず貰い泣きですよ。はいはい涙腺弱者涙腺弱者。

どんどん扱う金額のスケールはデカくなり、最早現実感など微塵もないw
もしかしたらこれはスケールがデカくなり過ぎて、面白さを損なうパターンではないか……と一抹の不安を抱き始めた俺が居る。

俺の持論として、LOVE寄せというものは大体の作品に必要というのがあるが、こんだけ美少女が出ていて、LOVE寄せが欠片も無いってのは問題な気がするなぁ。最初は萌えを入れておかないと売れないからコスプレとかを扱っておいて、作品が軌道に乗ってきたら、そういう部分は削りましたって感じがしちゃうんだよな。

莉音が倒れている状態でそれどころじゃなかったってのもあるんだろうけど、沙織から巳継へのアピールも全然無かったしなぁ。
LOVE寄せがあるか無いかで評価が大分変わるから、そこは割愛してほしくないんだが……。

後はやっぱり文庫1冊丸々をアクアス買収編に充てれば良かったと思うの。多分、分量的には丁度良い筈。わざわざ2冊を跨ぐようにしたのは商業戦略の一環か。
次は9月。

燃:A- 萌:A- 笑:C 総:A

ガガガ文庫

Posted by お亀納豆