著：菱田 愛日　イラスト：さんた 茉莉

「ちゃんと俺、言うから。ちゃんと瑠花を、見てるから。何があっても瑠花を……信じるから。だから俺の事も……信じてくれないか？」

2012年２月の新刊。約９年３ヶ月の積み。５ヶ月振りの新刊。
表紙はようやくキャバ嬢モードの瑠花。やっぱりこっちの方が作品の特色を出せるから制服姿より良いよな。

さて、今回は順当に３人目のヒロインである彩香の掘り下げ……と思いきや、その辺はさらーっと流して、奈斗と瑠花の心境の変化に焦点が当てられていく。

二人三脚で切磋琢磨してきた２人はキャストとボーイという仕事上の関係でありながら惹かれ合うのを止められないんだよなぁ。
そう思うと、キャバ嬢って難儀な職業だなー。人間のプリミティブな感情に踏み込む仕事の難しさを考えさせられる。

奈斗と瑠花の気持ちに気付きながらも、常連客として通い続けてくれる滝沢さん、カッコメンじゃん。これは恋の鞘当てが加速するぞ……と思わせたところで終了。

明らかに打ち切り完結な終わり方なんだけど、もうちょっときっちり終わらせても良かったんじゃないかしら……。ワンチャン４巻出せる可能性に懸けたということなんかな。

総評

そんなわけでラノベでまさかのキャバクラブコメ、電撃文庫『夜のちょうちょと同居計画！』全３巻でした。足掛け９ヶ月。
ラノベでどうやったらキャバクラを舞台としたラブコメが成立するか？という作りが興味深かったですね。
時代的にヒロイン候補は複数配置するという年代とはいえ、奈斗と瑠花の関係性に焦点を絞った方が良かったかもしれない。

菱田さんはこの後、メディアワークス文庫に戻って数冊出した後、魔法のｉらんど文庫、ビーズログ文庫アリスと移っていって、2016年半ばに姿を消してしまった模様。と思ったら、シナリオライターとして活躍しているのかな？

燃：C+　萌：Ａ　笑：B-　総：Ａ

シリーズリンク
・夜のちょうちょと同居計画！ ２巻（2011/09）

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夜のちょうちょと同居計画!3 (電撃文庫)