【小説】文庫版 虚談【感想/ネタバレ】
著:京極 夏彦
見て見ぬ振りをするしかないさ。どうせ。
全部、嘘なのだ。
2021年10月の新刊。約1週間の積み。3年8ヶ月振りの新刊。えっ、そんなに久し振りなのか。『角川文庫版 厭な小説』からは1年5ヶ月振り。
シリーズ第6弾か。これまでとタイトルロゴの雰囲気が違うのはわざとなのかしら。
表紙の張り子がまた絶妙に不気味なのよ。寝顔が可愛らしい子供と見せかけて……。
今回は様々な「嘘」を扱う短編集となっていて、どこまで嘘なのか幻なのか、はたまたトリックなのか……。
ホラーというのともちょっと違う気持ちの悪さが常につきまとっていて、かと思えば、嘘ですと急に突き落とされたりもする。
何やねん、この無軌道な居心地の悪さは……。決定的に怖いオチがつかないのが逆に怖い……。
一番怖かったのは『ハウス』かなぁ。介護問題に絡めて絶妙に現実であり得そうなラインを狙ってきており、胃をギュゥン!って握り潰されるようなストレスを受けましたね……。
単行本刊行後に書き下ろされた短編も収録。ボーナストラックっていう言葉選びが、この本に全くマッチしていなくて違和感が凄い。
燃:C 萌:C 笑:C 総:A
シリーズリンク
・文庫版 鬼談(2018/02)
スポンサーリンク
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません