【ラノベ】我が驍勇にふるえよ天地 Vol.11 -アレクシス帝国興隆記-【11巻/最終巻/感想/ネタバレ】
著:あわむら 赤光 イラスト:卵の黄身
「俺は初代大帝として、ここにアレクシス大帝国の成立を宣言する!!」
2021年11月の新刊。約2日の積み。9ヶ月振りの新刊。『転生魔王の大誤算』4巻からは連続刊行。
あれ、これ刊行速度が『聖剣使い』やってた頃にまで戻ってきてね?『アレクシス』は分厚いから実質隔月刊行くらいのスピードなのでは……。
表紙は吐血したシェーラを険しい表情を浮かべながら抱きかかえるレオナートという不穏な構図。
おいおい、どうした……と思ったら完結巻なんかい!奇しくも先月最終巻が刊行されたコミカライズの表紙でもレオナートがシェーラをお姫様抱っこしており、あちらは笑顔であっただけに不安を掻き立てられる。シェーラ、めっちゃ死にそうやん……。
いやはや、特に予告も無かったのでいきなり完結や!と言われても心の準備がですね……。
さて、吸血鬼退治作戦の包囲網に絡め取られていくアレクシス軍。か細い勝利への道筋を辛うじて見付けていくが……。
激戦の最中、遂にトラーメが。あぁ、駄目だったか……。一癖も二癖もあるけど良い奴だったのになぁ……。他の名だたる面子は概ね生存したことを思うと、余計にやるせない……(´;ω;`)
初期からライバル関係として存在していたキルクスとの決着は意外にも静かに幕を引いた印象。アドモフを下した時みたいに一騎打ちになるかと思ってたわ。
レオが下戸なことに素で驚くキルクスすこ。
エピローグにたっぷり紙幅が割かれているのが嬉しいね。
更に巻末にはアレクシスの興隆を支えた傑物達のその後が歴史本のような体裁で語られている。付録って言ってるけどバキバキに本編的な内容なんだよなぁ。
レオナートが58歳で亡くなったというのが結構若いなという印象。死因は記載されていないので何とも言えないが……。80代、90代まで生きたと書かれている人物もいるので、この世界の平均寿命というわけでもないと思うんだが……。
そしてアレクシス大帝国は僅か100年ばかりで、その歴史を閉じることも記載されている。盛者必衰ってことかぁ……。それにしても100年とは短過ぎやしませんかね……。
まぁ、その後もめちゃくちゃ悪い時代が到来したというわけではなさそうだけども。
で、この傑物紹介にシェーラは含まれてないんですよね。あれ、まさかほんとに死んだなんてことはないよな……?と不安を抱かせたまま後書きへ。
ンモ~、後書きの後にちゃっかりグランドフィナーレなんて仕込みやがって~。
シェーラを待たせに待たせたレオナートがようやく自分の気持ちを伝えて、2人は結ばれる。は~~~~~~~~~~????めちゃくちゃ気持ち良い幕引きなんですが~~~~~~~~~~~~!!!!!??????
これまではアレクシス軍がジャイアントキリング的に格上の相手と戦って勝利を収めていく展開だったが、ここからは自軍より小規模の相手との戦いにシフトしていくので、物語としてはここで〆ということらしい。
総評
そんなわけで神々よ、強者どもの戦いをご照覧あれ、GA文庫『我が驍勇にふるえよ天地 -アレクシス帝国興隆記-』全11巻、これにて完結。足掛け5年4ヶ月。
あわむらさんの硬派な文体がばちこりハマった傑作と言わざるを得ませんねぇ。この特徴的な文体が作品の空気感にしっかりマッチしていて気持ちが良い。それでいて読み難くないんだもんなぁ。
未来視点から歴史を紐解くような見せ方をしているのも面白かった。やっぱりあわむらさん、こういう方向性の方が向いているのでは……。
ただ硬いだけでなく、ライトノベル的なキャラ造形を絶妙に織り交ぜて、魅力的なキャラを次々と登場させてくれたのも印象深い。私はトラーメ推しなのでよろしくお願いいたします。
次は2021年12月に新シリーズ『ルーン帝国中興記』。
燃:A+ 萌:A 笑:A- 総:S
シリーズリンク
・我が驍勇にふるえよ天地 Vol.10 -アレクシス帝国興隆記-(2021/02)
著者リンク
・ルーン帝国中興記 ~平民の商人が皇帝になり、皇帝は将軍に、将軍は商人に入れ替わりて天下を回す~(2021/12)
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