【ボーダー】特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来【感想/ネタバレ】

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著:南原 詠(なんばら・えい) 表紙イラスト:田中 寛崇(ひろたか)

「あなたは特許権と侵害の隙間から現れた奇跡の産物なんです。棚町社長は、その奇跡を守ってくれと我々に依頼したんです」

宝島社2022年1月刊行物。約2ヶ月1週間半の積み。第20回このミステリーがすごい!大賞大賞受賞作。
また社内報で紹介されていたので気になったシリーズです。タイトルの破天荒さとVTuberの特許侵害というネタが気になりまして。

大人気VTuber天ノ川トリィが特許権侵害を警告され、あわや活動休止の危機に。弁理士である大鳳未来はこの難事態にどう挑むのか……。

未来は元々パテントトロールという特許権侵害を主張して賠償金を巻き上げる特許ヤクザから転身した身。そんな特許ヤクザスタイルで事態をゴリゴリに切り拓いていくのかと思ったのだが、そんなに強い突破力という感じでもないな。
特許ヤクザだった過去は後半まで隠しておけば良かったようにも思う。割と序盤で明かしてしまったので未来のキャラに意外性が残らなかったというか。

天ノ川トリィも僕が想像していたVTuberのイメージと全然違う超ストイックな人物像でピンとこなかった。
応募タイトルは「バーチャリティ・フォール」だったということで、刊行にあたってちょっとラノベっぽいパッケージングを意識したっぽいのよね。それがガワから受ける印象と中身の乖離に繋がってしまってるんだよなぁ。

特許周りの説明もちょっと不足気味かなーと。巻末の解説によると応募原稿の段階での欠点が法律周りの説明不足ということだったので、これでも説明が増えている状態なのか……。
法律の話もさることながら、登場人物が次々と出て来過ぎて頭に入ってこなかった。関係者におじさんが多過ぎるんじゃいかなぁ。ロクに印象に残らないままに次々と出て来るから混乱するのなんの。
うーん、これは今一つだったかなー。

燃:C 萌:C+ 笑:C 総:A-

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【2022年・第20回「このミステリーがすごい! 大賞」大賞受賞作】特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来 (『このミス』大賞シリーズ)

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Posted by お亀納豆