新潮文庫版 十二国記 華胥の幽夢
「……想像の範疇のことは起こらぬ」
「そんなものは、たいがい回避済みだ」
2013年12月の新刊。約1週間の積み。3ヶ月振りの新刊。
今回は刊行順を変えて、オリジナルでは最後の刊行だった短編集が先に登場。新装版では『不緒の鳥』があったけど、オリジナル版では短編集はこれだけなんだよな。
サブタイの「幽夢」は「ゆめ」と読みます。
刊行順を変えたのは、『黄昏の岸 暁の天』を読んだ直後に、新作長編を読んでほしいってことだよな。
さて、今回はこれまでのエピソードを補足する短編だったり、世界のシステムに突っ込む話だったりで、個人的には『不緒の鳥』より好み。
挿絵は今回も各短編の扉絵のみ。
『冬栄』
驍宗が王になったばかり頃、泰麒が漣にお礼をしに行くお話。
廉王が初登場か。オイラも廉麟にお世話されたいです(^q^)
一番最初にハートフルな話を置いておいて、その後、進むにつれて鬱な話になっていくのは意図的なのかw
『乗月』
峯王を討った月渓(げっけい)が仮王として立つべきか悩むお話。
これだけ糞真面目な考え方をしていれば、自ずと次の王に選ばれそうなものだけど……。
問題は峯果が触で流されているらしいってことだよな。実は芳はひっそりと詰んでいるのでは……。
『書簡』
陽子と楽俊の近況報告。この2人って本編中では、もう再会するシーンは無いんだっけ。
いずれ役人になった楽俊というのも見てみたいが……?
『華胥』
表題とは微妙に異なるが、こいつが今作の肝か。現采王が王になる直前、前采王にまつわるトラブルを描く。
これがまた悲惨な結末でなぁ。おかしい、出だしではロリ麒麟だった采麟なのに、出てくる度に鬱なイメージしか出て来ねぇ……。
『帰山』
利広と延王がお互いの素性を知らずに友達付き合い程度に駄弁る話。
各国の近況がちょっろっとだけ判るが、柳が危な過ぎワロタ状態。他国の人間が状況を話しているシーンはあっても、全然、内情が見えて来ないんだけど、どうなってんだろうか。
いずれ描かれるときがくるのか……。
まとめ
そんな具合で短編集でした。こんな感じで長編を補完するような短編はもっとポンポンだしてくれても良いのよ。
ってか世界のシステム的に長編が完結しても、いくらでも話を作れるよな……。
次は2014年3月に『黄昏の岸 暁の天』上下巻かな。
さあ、そろそろ新作長編のタイトルが発表されないのが不安になってきたぞw
燃:B+ 萌:B- 笑:C+ 総:A
シリーズリンク
・新潮文庫版 十二国記 図南の翼(2013/09)
・新潮文庫版 十二国記 黄昏の岸 暁の天(2014/03)
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