【ラノベ】転生ごときで逃げられるとでも、兄さん？３巻【感想／ネタバレ】

著：紙城境介　イラスト：木鈴カケル

待ちました？
待ちかねました？
お・待・た・せ、しましたっ!!
全人類待望のっ━━━

━━━ザ★妹タ～イムっ!!

人の心が無い。

2022年４月刊行物。約２週間半の積み。８ヶ月振りの新刊。
表紙はジャックの幼馴染みフィル。……なんだけど、涙を浮かべている表情、黒い背景、血痕を連想させる白い飛沫と不穏過ぎる……。

今回から登場人物紹介が追加。まさかこれが後の絶望を掻き立てるためのギミックのひとつだったとは……。
さて、２巻から数年が経過し、今回は『黄金の少年期：霊王決戦編』に突入。永世霊王トゥーラがその座を退くと宣言したことで、学院は大騒ぎに。次の権力の座を手にするため、様々な思惑が入り乱れていく。

ビフロンスの正体に迫るため、貴族ラヴィニア・フィッツヘルベルトの屋敷に潜入するジャックとエルヴィス。
ラヴィニアの異常性もかなりのものだが、邸を攻略する中でジャックの方もやべーものを秘めていそうなことが判ってきて。えぇ、この兄にしてこの妹あり、みたいなことだったりするの……？

霊王の座を狙って次々と現れる強者達。学院中が沸き立つお祭り騒ぎの中、超高位の精霊術がぶつかり合う……と思うじゃん。
動き出した妹ちゃんの手によって事態は急転。これから物語に大きく関わると思われた人物達が次々と殺されていく。

その開幕の合図として、惨殺されたトゥーラの挿絵をぶち込んでくるのエグ……。しかもこれから隠居して旦那と穏やかに過ごすとかラケルとの絆とかを描写した上できっちり殺してくるという。人の心無いんか……。

本を見た時にあきらかに中盤以降に黒いページがあることは見えていたから、何かショッキングな展開があるだろうとは予想出来たけど、ここまでキツいとは……。
ジャックの仲間達のそれぞれの師匠もあっさり殺されちゃうし……。こうなってくると２巻がスポ根寄りでマイルドなつくりだったのも布石のように思えてくるよね……。
人がどうやったら絶望するか熟知していやがる……。

霊王決戦編が黄金の少年期・最終章：学院鏖殺編に塗り替わる演出、怖過ぎてただただおしっこを漏らすことしか出来なかった……(´；ω；`)
恐らく妹ちゃんが皆殺しリセットを敢行したのはジャックとフィルの婚約なんだろうけど、どうやって収拾つけるんだよこんなの……。

むっちゃくそおもろいのにここで打ち切りなのかな～『シャーロック+アカデミー』始まっちゃったからな～。
で、調べたところ紙城さんがTwitterで現状を説明してくれていた。あ～売上不振か～。ただ、心は折れていないようで、別作で実績を出して復活させるや単行本形式でリスタートするという手も残されている。今のまま４巻を出しても売上が伸びなくて強制打ち切りになるのが目に見えているので、続けるために一旦刊行を止める方針にするとのこと。
俺はひとまずWeb版を読んで応援するか～。まぁWeb版も完結してないんですけど……。

燃：A+　萌：Ａ　笑：B-　総：S-

シリーズリンク
・転生ごときで逃げられるとでも、兄さん？２巻（2021/08）
・転生ごときで逃げられるとでも、兄さん？黄金の少年期：貴族決戦編 Web版

著者リンク
・シャーロック+アカデミー Logic.１犯罪王の孫、名探偵を論破する（2023/06）