【ボーダー感想】女流棋士は三度殺される

女流棋士は三度殺される (宝島社文庫)

著:はまだ 語録 表紙イラスト:げみ

「それでも人は幻想が大好きで、魅力的な謎を求めているんでしょうね」

宝島社文庫2017年3月の新刊。約2週間半の積み。献本を頂きました。有り難うございます。
このライトノベルがすごい!文庫から『着ぐるみ最強魔術士の隠遁生活』でデビューして以来、沈黙していたはまださんが宝島社文庫から復活。
タイトルの「三度」は「みたび」と読みます。

イラストのげみさんは『長崎・オランダ坂の洋館カフェ シュガーロードと秘密の本』と合わせて、立て続けにイラストを担当してるんだな。

かつて天才少年と呼ばれた松森香丞(きょうすけは、高校の将棋部でひっそりと活動している。そんな彼は文化祭の準備をしていたある日、幼馴染みの少女が血塗れで倒れているのを発見する。
犯人を見つけるため、調査を始める香丞だったが……というお話。

高校の将棋部が舞台とはいえ、主要キャラ達の実力は折紙付きで棋界のエピソードがじゃんじゃか盛り込まれている。
商業的な理由から保留されていたネタにゴーが出たと後書きで書いているが、映画やアニメやラノベで将棋ものが出て来ているから便乗しよう、みたいな判断なんだろうか。

タイトルからも想像がつくようにライトミステリとなっていて、そこに将棋で肉付けがしてある感じ。ただ、謎解きに直接将棋が絡んでいると言っていいのかどうか……。

ちょこちょこ叙述トリックが仕込んであって、おっ、と思わせる部分が。ほんの少しだけSFチックな世界観でもある。

キャラ造型はラノベ寄りで、謎解きなんぞしなくても将棋要素をベースに日常ものとかでも良かったんではないかと思う。
ミステリである上に、ちょっと重たい過去なんかもあって薄暗い雰囲気だったしなー。
明城兄妹の近親相姦ネタを主軸に据えて、もう1冊いこう(提案)

燃:C 萌:A- 笑:A- 総:A

著者リンク
着ぐるみ最強魔術士の隠遁生活(このライトノベルがすごい!文庫、2014/11)

イラストリンク
長崎・オランダ坂の洋館カフェ シュガーロードと秘密の本(宝島社文庫、2017/04)

女流棋士は三度殺される (宝島社文庫)
女流棋士は三度殺される (宝島社文庫) はまだ 語録

宝島社 2017-03-25
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宝島社文庫

Posted by お亀納豆