【ノベライズ】小説 ドキドキ!プリキュア【感想/ネタバレ】

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著:山口 亮太 イラスト:高橋 晃

愛が繋がって、輪のように広がる……それこそが《ラブリンク》。

再び響け、愛の鼓動!

2024年9月の新刊。約5日の積み。すっかりなりを潜めていたプリキュアのノベライズシリーズがおよそ7年振りに刊行。
第7弾として選ばれたのは10周年を迎える『ドキプリ』であった。俺、コンプリートブックを読んだ時点で講談社キャラクター文庫で補完しろって書いてて笑っちゃった。10年後に実現するなんて誰が思うんだよw

この大インターネット時代では有り得ないレベルで宣伝をしない講談社キャラクター文庫にしては珍しく、刊行前から情報を小出しにするという丁寧なプロモーションを実施。
まぁやっていたのはプリキュア公式Twitterアカウントの方で、キャラクター文庫の公式アカウントはリツイートすらしてないんだけどな。仕事しろw

講談社キャラクター文庫としてはかなり分厚く約450ページの大ボリューム。その上文字密度もびっちりで場面展開があっても最低限の1行しか空けられていなかったり。
ということで、まさかの1200円である。何か特典が付いてるのかと思ったわw
背表紙にも表紙イラストが入ってるのってキャラクター文庫の通常仕様ではないよな?分厚いから特別仕様ってことかしら。

表紙は初期メンバー4人のプリキュアと亜久里、レジーナという変わった構成となっている。レジーナだけ変身してないというアンバランスさを調整するためなのかしら。

ストーリーはもしテレビシリーズが2年目に突入したら、というあまりにもワクワクするコンセプト。各章には具体的に何話なのかが明記されているのが芸コマ。
中学3年生になったマナ達の日常やプリキュアとしての活動が全編六花の一人称で語られている。確かに六花に語り手を担わせるのはピッタリか。

『ドキプリ』らしさを失わず、しかしニチアサレーティングが外れたことで出来るようになったシリアス要素やキツい表現も垣間見えて。開幕早々、小学生からやり直せは笑っちゃうよな。

マナが小学生時代、いじめられていたってエピソードもリアルで辛い。テレビシリーズでも断片的には語られていたけど、直接的に描写出来るようになったことでよりしんどく。
そんな時代、二階堂がマナのことをフォローしてくれていたことも判って。二階堂……!

テレビシリーズで設定だけが出ていたものも続々と。シルエットのみしか出ていなかったジコチュー幹部ゴーマとルストが封印を解かれて登場。
ありすの兄ヒロミチも設定だけはあったんだっけ。この3名はカラー設定画が公開されている。
設定画こそ無かったもののゴーマとルストを封印して力尽きた先代プリキュアも登場。ただ力は失われているらしく、戦いには不参加。

プリキュアの正体がバレた時の人々の反応もリアルで。当時、キングジコチューがこちらの世界に現れた時、国や自衛隊は何やってたのってところにも言及されているのが面白い。
水谷警部のネーミングって『相棒』から来てるんだろうかw

まこぴーの本名がマコトって初出か?トランプ王国の関係者はみんなソードって呼んでたよな、確か。
レジーナは相変わらず好き放題やっているが、要所要所でズバッと核心を突くような発言をするのが良いね。
あ、葬式の時は黒いリボンを付けるんだな。ちゃんとしてるのかめちゃくちゃなのかよく理解らんな……。

マナりつもイラりつもちゃんと入っていてニヨニヨしちゃうね。
ラケルも六花のために成長した人間態に。うーん、これはイラスト見たかったよねぇ。

強大な闇に立ち向かうプリキュア達。要所要所で脳内に変身BGMが流れて泣きそうになってしまう……(´;ω;`)
新しいラビーズや新しいアイテム等、プレバンで受注が始まりそうなものがゴロゴロ出て来るの好き。
モーニングスターって何でもプリキュアと付ければいいってもんじゃねーぞw

事前に発表されていた新プリキュアの設定画から遂にレジーナがプリキュアに!と大騒ぎになったわけだが、その正体はロイヤルクリスタルを奪われて変身出来なくなった亜久里がレジーナと合体して変身したキュアジョーカーであった。『仮面ライダーW』みたいなことすんじゃんw
名乗りは「最後の切り札、キュアジョーカー。私とわくわくランデヴーしてみない?」ということで、レジーナ寄りの台詞になってるな。

このジョーカーだけはモノクロではあるが設定画が収録されている。オッドアイなのとミラクルドラゴングレイブ標準装備なのが厨二心をくすぐるねぇ。
あくまでもイレギュラーなプリキュアという扱いのようで、最終的には亜久里はエースに変身してましたね。
どうせなら素直にレジーナを単身で変身出来るようにしてあげたら良かったのにな。

最後には奇跡が起きて、世界中で新たなプリキュアが誕生。『はぐプリ』ほどではないにしても『ハピプリ』みたいな世界観になってきたな……w
う~ん、媒体こそ違えど実質Vシネじゃんこんなの……。オールスターといった様相で満足度高かったですねぇ。
最後には「KURATA WILL RETURN」というめちゃくちゃあからさまな匂わせも残しているので、まさかまだ何らかの形で続きがあるのか……?
テレビシリーズで明かされなかった謎ってロイヤルクリスタルの行方のことだったんかな。

事前にがっつりプロモーションをやったお陰か、発売早々に品切れ→重版となった模様。この勢いに乗って他のシリーズも後日談ノベライズ欲しいよね。
更に公式YouTubeチャンネルでは後日、本作のシーン朗読も含む特別番組の配信が決定している。どうした、メチャンコ予算ぶち込んでくるじゃん。

燃:A+ 萌:A+ 笑:A 総:S

アニメリンク
ドキドキ!プリキュア 最終話「あなたに届け!マイスイートハート!」

ノベライズリンク
小説 ふたりはプリキュアマックスハート(2017/10)

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小説 ドキドキ!プリキュア (講談社キャラクター文庫 035)