ばけてろ 成仏って、したほうがいいですよね?

ばけてろ 成仏って、したほうがいいですよね? (角川スニーカー文庫)

著:十文字 青 イラスト:みこと あけみ

「ビートくん」
『ツービートは古いよ、おねえちゃん。古すぎだよ』
「贅沢なのだわ」
『……そうかな』
「それなら、長介くん」
『ドリフも古いよ。もうこっち側の人もいるし、全員集合できないよ』

いまだかつて、いかりや長介やたむけんが出て来たライトノベルがあっただろうか。

約一ヶ月二週間の積み。『薔薇のマリア』の連載が終了し、新たにザスニで始まった十文字さんの新シリーズ。ザスニは隔月なのに、やけに出るのが早いなと思ったら、連載分は二話しか収録されておらず、後は全部書き下ろしでした。
イラストのみことさんは最近MFで始まった『みにくいあひるの恋』の挿絵も担当してたよね。

キャッチはあっぷだうんオカルトゆるコメということで、十文字さんの作品でコメディを謳ってる作品って初めてじゃなかろうか。
コメディのノリは完全にいつもの十文字さんなんだけど、心理描写が圧倒的に他作品と比べて少ない。心理描写でページが埋まってないと凄ぇ違和感w

注目したいのは主人公、景敦(かげあつ)が二人のヒロインと同じ学校に通っていない点。同じ学校どころか学校に行っていないわけだが。
また、その二人のヒロイン、メルカと千夜子(ちよこ)が両方巨乳というのも珍しい気がする。大体、ダブルヒロインだったら、巨乳とつるぺたが対になっているもんだが。

で、退魔もするけど、基本はコメディ。これはジャンルとしてはラブコメなんだろうか……。
ミポルの淫猥無双はけしからんと言わざるを得ないが。

構成としては連載一話→一話の後日談書き下ろし→連載二話→二話後日談書き下ろし→書き下ろしとなっていて、連載されたエピソードを膨らませる形で文庫が構成されているのが面白い。
ちょっとシリアス要素を匂わせる部分があるんだけど、このままゆるいコメディで続けていってほしいなぁ。

燃:B- 萌:A 笑:B+ 総:A-

シリーズリンク
ばけてろ 影の大統領はとてつもなくえらいのだ!(2010/02)

著者リンク
いつも心に剣を①(MF文庫J、2009/02)
ぷりるん。 ~特殊相対性幸福論序説~(一迅社文庫、2009/07)
純潔ブルースプリング(ソフトカバー、2009/08)
薔薇のマリア 12.夜に乱雲花々乱れ(2009/09)
ぼくのうた(幻狼ファンタジアノベルズ、2010/07)
黒のストライカ(MF文庫J、2010/10)

メガクルイデア(幻狼ファンタジアノベルズ、2011/01)
全滅なう(一迅社文庫、2011/08)
聖断罪ドロシー01 絶対魔王少女は従わない(2012/08)
一年十組の奮闘 ~クラスメイトの清浄院さんが九組に奪われたので僕たちはクラス闘争を決意しました~(MF文庫J、2012/08)

イラストリンク
エイルン・ラストコード ~架空世界より戦場へ~(MF文庫J、2015/02)

角川スニーカー文庫

Posted by お亀納豆