【ノベライズ感想】小説 明日のナージャ ~16歳の旅立ち~
原作:東堂 いづみ 著:金春 智子 イラスト:中澤 一登
「夜の向こうには……」
「必ず明るい朝が……明日があるの」
今、運命の扉が開く。
講談社キャラクター文庫2017年9月の新刊。約6日の積み。テレビシリーズの放送からおよそ13年半、まさか続編小説が登場するとは……。
著者はテレビシリーズのメインライター、表紙イラストはキャラデザとテッパンの布陣である。
知らない人のために説明すると『明日のナージャ』ってのは『おジャ魔女どれみ』と『プリキュア』シリーズの間に1年間だけ放送された2つの伝説を繋ぐ歴史の転換点に位置する作品なんですよ。
あれから3年、母コレットと幸せに暮らしていたナージャは再び旅に出る。家族と呼べる人達との再会を夢見て……。
プロローグが終わった時点でOP脳内再生余裕でした。
取り敢えず買っとくかくらいの気持ちだったんだが、これがなかなかどうして面白いんだな。
『プリキュア』はやっぱり変身バンクやアクションありきという部分があるので小説媒体では盛り上がり切れない感が残るが、本作の場合、ノベライズされたことで良い塩梅の少女小説へと仕上がっている。
というか世界名作劇場ばりの上げて落とす展開が怒濤の勢いで辛い。
おかしい、まだ中盤だぞ……こんなに上手くいく筈ない……と思わせておいて、どぎつい絶望がやって来て、なんちゅう酷い目に遭わされるんや……ってなってる。
ローズマリー、反省するどころか益々悪女になってやがる……。彼女の人生を振り返る数ページは狂気が滲み出ていて、ある意味良かったですねぇ。
みんな読んだらローズマリー、絶対許さねぇ!!ってなるに違いない。
ダンデライオン一座の面々は勿論として、ナージャが3年前の旅で出会った人達が次々と登場する。まぁ半分以上憶えてないんですけど(ぉ
幼いライオンだったクリームとショコラが成長して一座の戦闘力が上がってるの面白いな。
てっきり1冊限りの続編だとばかり思っていたんだけど、一区切りついているだけで物語はまだ始まったばかりといった感じ。
シルヴィーも出番無いままだしな……。
今、ウィキペディアを見ていたら後日談を描いたドラマCDがあるみたいなんだが、その内容は無かったことになっているんだろうか。どうにも本作と矛盾しそうに思えるが……。
後書きの代わりに関プロデューサーの解説が。当時、アジア圏で流行したSARSの影響で商品展開が鈍らざるを得なかった、2年目の展開も考えていたのに……みたいなことを言っているけど、仮に玩具展開が十全に出来たとして2年目やれたのかなぁ……。
並々ならぬ思い入れがあったようなので、本作が1冊で完結していないのも関さんの意向なんだろうか。
そんな具合で意外や意外楽しめてしまった続編でした。続きが気になるが、これ続いたら絶対おばばが老衰で亡くなるでしょ……。
燃:C 萌:A- 笑:C 総:A+
小説 明日のナージャ 16歳の旅立ち (講談社キャラクター文庫) | |
金春 智子 東堂 いづみ
講談社 2017-09-12 |
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