【映画】仮面ライダー 令和ザ・ファースト・ジェネレーション【感想】

「やってやるよ━━父さんを超えて、本当のゼロワンになる!!」

1号とは何か。

概要

2019/12/21公開。令和に突入してから初の冬映画は、当代と先代の共演となる少し懐かしい形式。
ただ、タイトルに令和とある通り、『ゼロワン』のウエイトが非常に大きくなっている。『ジオウ』のタイムトラベル要素を用いて『ゼロワン』の歴史を紐解く、みたいな。

監督は『ゼロワン』のパイロット監督の杉原さん、脚本もメインライターの高橋さんとガチガチに『ゼロワン』布陣。『ジオウ』サイドは白倉Pがフォローしているらしい。

時系列

『ゼロワン』はフリージングベアー入手以降ということくらいしか分からないかな。アサルトグリップは未登場だけど、ただ使わなかっただけなのかどうかがよう理解らない。
『ジオウ』はソウゴによって歴史が再構築された後。

導入

寝坊する或人。何気に或人の部屋のシーンって初めてじゃない?まーた間に合わせるためにライズホッパー使ってんじゃーんw

タイムジャッカー・フィーニス

えっ、タイムジャッカーってスウォルツが自分の目的を隠すためにでっち上げた存在だったんじゃないの?やっぱり『ジオウ』の設定はよく理解らない……。

中性的な雰囲気、長過ぎるマントと神秘的な気配を漂わせているんだが、その割には目的がどうにもストレートというか……。
ジオウから全ライダーの力を奪って、自分が新たな1号となるというもの。デイブレイクの歴史を歪ませたのはジオウを誘き出すためだったのこと。

ウィル/アナザーゼロワン

歪んだ歴史で飛電の社長となっていたヒューマギア。元々は是之助社長の秘書を務めていたのか。
どうも歴史介入とは関係無く、ただ人間に使われるだけのヒューマギアという存在に疑問を抱いていた様子。

一方、それに対する是之助社長の振る舞いはちょっと軽率に過ぎるというか、人工知能というものの危険性を軽視しているように見えるというか……。

アナザーゼロワンの力を手にしたウィルは最終的に是之助社長を手に掛けてしまう。
逃げろと言われた福添社長が最後まで社長の元を離れようとしなかったのめっちゃ良かったですよね……。くそっ、好きになっちゃうだろ……。

仮面ライダー001

「ゼロゼロワン」と片仮名で書かないのは長ったらしくなるからか。ゼロワンドライバーを奪われた或人が、父から貰ったフォースライザーとライジングホッパープログライズキーを使って変身。
こういう急場凌ぎのフォーム、良いよね……。

変身する度に全身に激痛が走るとのことで、多用するのは危険そう。滅や迅が楽々使っているのはヒューマギアだからデメリット部分の影響を受けないということなんだろうか。

飛電其雄/仮面ライダー1型

サイクロンライザーとロッキングホッパーゼツメライズキーで変身。これが『ゼロワン』世界でのプロトタイプライダーとなるわけか。
メカメカしいフォルムとどこか古臭さを感じさせるデザインがいかにもプロトタイプですという風情。

この世界で言う仮面ライダーシステムは、其雄が人間とヒューマギアが共に笑顔になるために必要な力として作ったもの。

それを人類を滅ぼすべしと断じたアークが利用しているという構図の模様。ただ、よく理解らんのが、何で笑顔になるために力が必要だったのかという点。対抗勢力を捻じ伏せるために用意していたんだろうか……。

なお、或人の両親は彼が幼い頃に事故で亡くなっているそうな。となると、実は生きてましたというセンは無さそうか。

歪められた歴史

12年前のデイブレイクはあくまでもデイブレイクタウンの崩壊に留まっていたが、フィーニスの介入によりヒューマギアの反乱は成功。衛星アークは打ち上がり、ヒューマギアは世界中を支配。

アークを造ったのは其雄とウィル。2人の希望を踏まえたものとなったため、ヒューマギアのための衛星となる想定だったっぽい。
正史では打ち上げが中止され、代わりにゼアが打ち上げられたということなのかしら。

レジスタンス

不破と唯阿が統率する生き残った人類の拠り所。杉原監督の趣味が十全に発揮され、重火器描写がゴリッゴリである。
事前に『ウラ仮面ライダー』でプッシュされていたモブ達も確認出来た。緑のモヒカン、クッソ存在感があるw
しかし杉原監督がモブに後で個性を付け足したというだけあって、ビジュアルのインパクトがデカい奴もいるのに本当にモブの扱いでしかなかったわ。

滅亡迅雷.net

改変された歴史の中では人類の処刑を行う組織に。そのためいつもとは違い、身綺麗なシュッとした格好をしている。

学園生活

ソウゴ達のシーンは新しい歴史の学校の風景からスタート。しかし、いつの間にかクラスメイトや先生がヒューマギアになっていて、さあ大変。
って、先生が唐突にトッキュウ6号でワロタ
しれっと6号のポーズをするなw
特に重要な役どころでもなく、本当に1シーンのみの出番だったんだが、どういう理由で起用したんだよ……w

唐突に手元にウォッチが現れて、過去の記憶を思い出すことに。
ツクヨミは変身能力も取り戻して、時間停止能力もあるので大活躍。仮面ライダーツクヨミがまともに戦闘したのって、今作が初めてなんじゃないか?

ウォズはマフラーや本を使ったトリッキーなアクションが目立ちましたね。本で挟んで攻撃を止めていたのは凄いw
なお、持っている本はいつの間にか真逢魔降臨歴になったらしい。その設定要るかな?

ちなみに『ジオウ』サイドからの出演はメインの4人のみ。

001VS1型

光の軌跡を描きながら激突する高速戦闘がとにかく魅せる。ライジングユートピアとロッキングジエンドのぶつかり合いは必殺技演出の交叉も良かったですね。
そうか、フォースライザーのユートピア必殺技ってどこで使うんだと思っていたが、ここだったかー。
「父さんを止められるのはただ一人」って言うと思ったぜ。

アナザー1号

フィーニスが変身した今回のCG枠の大ボス。下半身がバイクになっており、あっ、仮面ライダーコアさんじゃないですかー!
アナザークウガと並んで非常に禍々しいデザインで、そこに加えてゲイツのタイムマジーンを取り込んで虫の意匠を加えた新アナザー1号に。これはボスの風格ですわ。

決戦

グランドジオウの派手さに合わせるためか、ゼロワンの方はフォームチェンジを積極的に行う姿勢で良かったですね。
ジオウは全編通してⅡとトリニティにも変身。アーマータイムやゲイツ、ウォズのフォームチェンジは全く無かったが……。ゼロワンアーマー出るかと思ったけど、ウォッチも出なかったね。まぁ、設定を考えるとゼロワンの力が奪われちゃうから駄目なんだけれどもw

決着

今回の出来事を或人が憶えているのは良くない気がすると、彼の記憶を消そうとするソウゴ。
受け入れられない或人は変身して立ち向かう……というところでEDへ。これは今までになかった面白い幕引きだなぁ。

結局或人の記憶がどうなったかはよく理解らないんだけれども、ソウゴ達はまた普通の高校生に戻った模様。
これからまた何かある度に記憶を取り戻すんだろうか……。

そしてアークは甦るという不穏な言葉を告げる謎の戦士、仮面ライダーサウザー……というところで終了。
キャストを伏せておけば良いのに、しれっとクレジットに表記されていて垓が変身者で確定ですね。いや、別に何の驚きも無いんだけれども。

まとめ

2大ライダーが1本のシナリオの中で共存するという構成は『超MOVIE大戦ジェネシス』を思い出しましたね。あれより圧倒的に出来が良かったけども。
まず何といっても高橋君の熱演ですよ。父と戦わなければいけない絶望から始まり、本当のゼロワンへと成長していく様がめっちゃ格好良かったです。これからに期待しかないんだよなぁ。

続けて、1号とは何なのかというテーマをしっかり打ち出しているところが良かった。登場するライダーも1に因んだネーミングで揃えているのが面白い。
皆が新しい時代の1号になっていくんだっていう解釈も良きもので。

全編通してアクションアクションとにかくアクションということでカロリーが凄いですわ。坂本監督の撮るアクションとは全然違った作風ですよね。
個人的には外連味のある坂本監督のアクションの方が好きではあるが……。

シリアス濃度マシマシで、もうちょいマイルドでも良かったのかなと思わないでもない。このテのクロスオーバー映画はお互いの文化の違いに驚くというシーンがありがちなんだけれども個人的には好きな下りなので、もっと多くても良かったのよ。
今回で言えばグランドジオウの変身にゼロワンが驚くっていうところくらいしかなかったんじゃない?

設定的にはデイブレイクのきっかけが判ったくらいで、衝撃の事実というレベルではなかったかな。ああ、アークが何なのかってのはハッキリしたか。
個人的にはプログライズキーとゼツメライズキーが一体何なのかってのが知りたいのだが。

案の定、初報時の「平成と令和は決して交わってはならない」というキャッチコピーは内容が決まる前に勢い任せで言い切ったものだったらしいw
惜しかったのは『ゼロワン』『ジオウ』、どちらの主題歌も流れなかったことですね。

大森Pはサプライズなんてやらんでしょと最初から思っていたが、やはり特に目を剥くような展開は無し。

次は間にVシネクストは挟まるが、基本は夏映画。更に12/18には東映さんの来期の計画として夏映画どころか1年後の令和ジェネレーションズまで製作が発表されてしまうのであった。判り切っていたこととはいえ早過ぎでしょw

燃:A+ 萌:A 笑:A- 総:S-

本編リンク
仮面ライダージオウ LAST「2019:アポカリプス」
仮面ライダーゼロワン 第15話「ソレゾレの終わり」

シリーズリンク
仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER(2018/12)

映画リンク
劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer(2019/07)
劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本(2020/12)
仮面ライダー50周年記念映画 仮面ライダー ビヨンド・ジェネレーションズ(2021/12)

スポンサーリンク









映画,特撮

Posted by お亀納豆