【小説】新潮文庫版 三匹のおっさん ふたたび【感想/ネタバレ】
著:有川 浩 イラスト:須藤真澄
━━向けられる厚意は素直に頂戴しておくのが愛される年寄りの秘訣だそうだしな。
新潮文庫2015年1月の新刊。約5年3ヶ月3週間半の積み。何ヶ月振りの新刊……と書きたいところだが、あちこちの出版社を渡り歩ているので、どうカウントすべきなのかさっぱり分からない。
文芸春秋→新潮→講談社と変遷している模様。有川さんが編集部と揉めたという噂を見たことはあるが……。
新潮文庫への移籍時は2ヶ月連続刊行したのね。
冒頭には1巻の簡単な振り返り+導入の漫画が。やだ、贅沢……。この辺はラノベ畑出身だからこその演出なのかなぁ。いや、ラノベ畑であんまりラノベっぽくないものばっかり書いてた人だけども。
今回も連作短編集形式で、初っ端は祐希のお母さんがパートで奮闘するお話。えぇ、永田精肉店、ブラック過ぎでは……?
それとも近所の商店街にある個人商店のパートなんて、こんなもんなんだろうか……。めちゃくちゃ働き難そうなんだが……。
本屋の万引きの話は胸糞悪い話である。全員打ち首にしてほしい。やらかしたクソガキどもを構成させようとするいわきブックス店長、生き仏過ぎるんだよなぁ……。
世直しものという構造上致し方ないのだが、登場する悪役がどいつもこいつもドストレートにムカつくから困る。
偽三匹って完全にショッカーライダーみたいなノリで笑う。人から評価を得ることでしか自分を保てないとか、ただの厄介さんなんだよなぁ。痛い目に遭って懲りてほしいものである。
清一の妻の芳江さんは罪作りな女と言うべきか……。
今回は割とどのエピソードからでも読めるような内容となっていて、1巻の清一と祐希の心が近付いていくようなハートフルさはちょっと薄れちゃったかしら。それでも安定して面白いけど。
祐希の存在が良いスパイスになってるよな。
巻末には短編『好きだと言えずに初恋は、』を収録。俺はさっぱり気付けなかったが、『植物図鑑』と『三匹のおっさん』を繋ぐ短編とのこと。粋なことするじゃない。
続編は果たして出るのであろうか。何回もドラマ化しているようなので、人気はある筈だけど。
燃:A 萌:A 笑:A- 総:A+
シリーズリンク
・文春文庫版 三匹のおっさん(2012/03)
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