【小説】俺ではない炎上【感想/ネタバレ】
著:浅倉 秋成(あきなり)
「インターネトの使い方を教えてくれ」
双葉社ソフトカバー2022年5月刊行物。約3週間の積み。内報で紹介されていたので気になったシリーズ。炎上というワードに引っ掛かりまして。
大帝ハウスの営業部長、山縣泰介(やまがた・たいすけ)。殺人を仄めかしているTwitterアカウントの持ち主が泰介ではないかとネットが大炎上。当然、周囲の人間がそんなことを信じる筈がないと思っていた泰介だったが……。
要所要所に名も無き市民達のTwitterでの呟きが登場し、それがカバー下に本当にTwitterの画面のようにあしらわれている。これは地味に凝っていて面白いね。どれだけの読者が気付くかというところだけど……。
そうか、炎上して身元が特定されると血気盛んなYouTuberが襲ってきたりするリスクもあるのか……。ネットを断って泰然自若としてりゃ自然鎮火するってわけでもない時代なんやな……怖……。
泰介の奥さんの告白もまた胸に迫るもので。専業主婦って適正があるかどうかがめっちゃ大事なんやろなぁ。
誰も泰介の無実を信じてくれない中で、キツく当たっていた取引先の担当の青江が助けてくれたのは感動したよね。青江ぇええええええええええええ!!って叫んでしまう。
泰介だけでなく周辺の人物の視点も交えながら事件の真相に迫っていく。これで真相に近付いていくんやなと思うじゃん?むしろ次から次へと、え、それヤバない?みたいな情報を後出ししてくるという……。DOKIDOKIさせてくれるじゃん……。
最後に叙述トリックでハメられるに至ってはよくもだましたアアアアア!!だましてくれたなアアアアアア!!という心境である。
これはもう1回最初から読みたくなるねぇ。
最初に自分は悪くないんだからと他者に押し付けるのはやめようね、ちゃんと相手と向き合おうねっていうところが本作のキモだと思うんだけども、かといって自分にも悪いところがあったんじゃないかな?というマインドで生きてるとたちまち病むんじゃねぇか……?
燃:C 萌:C 笑:C 総:A+
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