おジャ魔女どれみ16

おジャ魔女どれみ16 (講談社ラノベ文庫)
原作:東堂 いづみ 著:栗山 緑 イラスト:馬越 嘉彦

「プリティー、ウィッチー、あいこっちー!」
「プリティー、ウィッチー、はづきっちー!」
「プリティー、ウィッチー、どれみっちー!」
「魔女見習い、バージョンじゅうろく!」

伝説、再動。

講談社ラノベ文庫2011年12月の新刊。ラノベ文庫を読むのは、これが初めて。
日本史に残る傑作アニメ『おジャ魔女どれみ』がライトノベルを舞台に再始動。高校1年生になったどれみ達の物語。
『ナ・イ・ショ』の完結から7年か……。

タイトルの「16」の読みは明記されてないが、劇中の台詞から考えるに、恐らく「じゅうろく」だと思われ。

著者はアニメのシリーズ構成及び脚本を担当した栗山さん、イラストは勿論キャラデザの馬越さんということで、面白くならないわけがない。

美空小学校の同級会に姿を見せなかったおんぷちゃんを心配したどれみ、はづきちゃん、あいちゃんは再び魔女見習いとなり、彼女を捜すことに……という導入。

口絵ピンナップには、どれみ達4人の高校の制服姿と見習い服姿が。
基本的には『無印』のデザインなんだけど、ニーソになったり手袋が長くなったりしている。

文体は、どれみの一人称。かなりの時間が経ってるけど、ほぼ全員の声、脳内再生余裕でした。
どれみの髪型って、シニョンという扱いだったのか……。

劇中では3年が経過してるわけだけど、みんな、それぞれに成長してるし、人間関係も変わったりしていて感慨深い。
はづきちゃんとおんぷちゃんは髪が伸びたのに対し、どれみは短くなっているのも面白い。
あいちゃんはうん、まぁ。

はづきちゃんと矢田君が恋人になったとか、分り切ってたけど、矢田君爆発しろ。
何がびっくりするって、『どっか~ん』最終話で、どれみが告白した相手が小竹だったってのがビックリするわ。
まぁ、何で小竹ちゃうねん!と当時思ったから、良かったと言えば良かったのだが。

肝心の小竹の答えは限りなくイエスに近い保留、みたいな。これが『16』のシリーズ通してのキーになりそうだな。

あれだけ決意して魔女になるのをやめたのに、またなるんかいという意見もあろうが、その辺もちゃんとフォローされているから素晴らしい。

媒体は変われども、ちゃんと『おジャ魔女』してるんだよなぁ。魔法の出番は少なめで、シリーズ後期のノリに近い。
また、媒介が変わったことと、どれみ達が成長したことで、これまでには出て来なかったドロドロしたエピソードなんかも盛り込まれている。

とにかく、アニメシリーズへのフォローが半端無い。懐かしい名前や、1話しか登場していないキャラの名前がバンバン出て来るわ、魔女絡みの設定もガッチリ説明されるわで、やばい超高まるー!!
ウィザードペンペン草とか懐かし過ぎるわ……。重箱の隅を突くレベルのフォロー具合。
あれ、山内君、中学行ったらロン毛にするんじゃなかったの?

おんぷちゃんの問題は解決したが、魔女界で反抗期らしいハナちゃん、見習い服姿で、どれみ達の前に現れたももちゃん。
また、あの賑やかな日常が戻って来る……というところで次巻へ続いている。

うぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお、早く続きが読みてぇえええええええEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!

巻末には、どれみ役の千葉千恵巳さんのインタビューを掲載。その代わりか、栗山さんの後書きはありません。

このシリーズはメディアミックスの一端とか、元々はプリキュアを終わらせてやる予定だったとか、色々聞くけど、真実は如何に?

ってなわけで、当時視てた奴は絶対買いの『おジャ魔女どれみ16』でした。
次巻も、ハッピーラッキー、みんなに届け!

燃:A+ 萌:A+ 笑:B+ 総:S-

シリーズリンク
おジャ魔女どれみ16 ~Naive~(2012/05)

著者リンク
小説 ハートキャッチプリキュア!(講談社キャラクター文庫、2015/09)