僕と彼女のゲーム戦争

僕と彼女のゲーム戦争 (電撃文庫)
著:師走 トオル イラスト:八宝備仁(はっぽうびじん)

『ただの新入生に興味はない。この中にファミコン版スペランカーをクリアできる人がいたら、放課後視聴覚準備室まで来るがいい。以上だ』

電撃文庫2011年6月の新刊。約6ヶ月1週間の積み。
富士ミス『タクティカル・ジャッジメント』『がらくたのフロンティア』、ファンタジア文庫『火の国、風の国物語』でお馴染みの師走さんが半ば趣味小説を引っ提げて電撃文庫に殴り込み。
外様の作家さんが電撃に入って来るってのは珍しいパターン。他には周ちゃんとか神埼紫電さんとかか。

イラストはエロ原画師として有名な八宝備仁さん。ラノベの挿絵は初めてかと思いきや、昔にMF文庫J『ジャンクフォース フロムマーズ』の挿絵を担当してるのね。

さて、主人公の岸嶺は読書趣味を一貫する高校生。彼には、主人公になりきって物語に入り込むという特殊な体質があった。そんな彼が、共学になったばかりの元お嬢様学校の現代遊戯部に勧誘されて……というお話。

要は実在するゲームをいっぱい出して遊ぼうぜ!ということです。編集さんがゲーム会社に許可取ったらしいけど、これって電撃のネームバリューがあるからこそ出来ることなのかな。

何で買ったのか、ブログの過去記事見るまで思い出せなかったんだけど、声優ものっぽい雰囲気が前面に出されていたから買ったんだったわ。
実際には声優好きの変態教師が出て来るだけで、ちっとも声優メインじゃなかったけどな!

劇中では政府の政策により、ゲーム業界が活性化している。そのため、幼稚園児が『ポケモン』の努力値の話を普通にしたりしているらしい。
そんな幼稚園児嫌だな……w

登場するゲームのプレイ経験がある方が楽しめるのは勿論だが、岸嶺を全くのゲーム初心者と設定することで、ゲームをプレイしたことが無い人でも読み易いようになっている。
というか、登場するゲームに限らず、何かしらゲームがやりたくなるから困る。

テレビゲームを題材にしてるけど、最終的なノリとしてはスポ根に近いかな。
にしても、最近、電撃ってMMORPG縛りじゃないゲームネタ小説が増えてきてないか?『ギャルゲーマスター椎名』『レトロゲームマスター渋沢』『はじめてのクソゲー』等々。

ってなわけで、なかなかに興味深かった『僕と彼女のゲーム戦争』でした。やはり最終目標はキャラゲーじゃないゲーム化か。
次は2011年12月。

燃:C+ 萌:A- 笑:B+ 総:A

シリーズリンク
僕と彼女のゲーム戦争 <2>(2011/12)

コミカライズリンク
僕と彼女のゲーム戦争(2013/05)

電撃文庫

Posted by お亀納豆