やましいゲームの作り方

やましいゲームの作り方 (ガガガ文庫)
著:荒川 工(たくみ) イラスト:nauribon(なうりぼん)

ちなみに、この世には二種類のPCゲームがある。
パパ・ママに言えるゲームと、言えないゲームだ。

ガガガ文庫2012年12月の新刊。約3週間半の積み。単発作品『ワールズエンドガールフレンド』から丸1年、エロゲクリエイターが本業らしい荒川さんがガガガに復活です。
エロゲ業界ものと聞いて買っちゃいました。え、何これ、ファンタジア文庫『冴えない彼女の育てかた』といい、ラノベにエロゲ業界ブーム来ちゃう?

イラストは最近、色んなところで見かける気がするnauribonさん。ファンタジア文庫『鳩子さんとラブコメ』とかファミ通文庫『デキる神になりますん』とか電撃文庫『秘密結社とルールと恋』とか。

表紙は帯を外すと、ぱんつが見えそうな構図ですが、そんなことはない。ぱんつは総扉でお楽しみください<何なんだ

主人公、直海龍介は30代半ばのエロゲシナリオライター。ある日、事故から息子である忍を庇って不慮の死を遂げてしまう。
何の因果か、忍の意識を押しのけて、彼の身体の主導権を得た龍介は、やり残したシナリオ作成を再開して……というお話。

まさかの、ラノベでオッサン主人公という。他に例あるかな……。まぁ、というわけで、オッサンには感情移入し辛いので、必然的に忍の方に感情移入することになるんだけど、すると、あら不思議。
登場する女性は全員年上じゃないですかー!年上のお姉さん祭りだ!わっしょい!わっしょい!

「きゃー」とか言いながら恥ずかしがるけど、たまにお姉さんっぽくなる平栗さんが可愛いです。

で、勿論フィクション織り交ぜつつではあるんだろうけど、ゲームの制作過程を追っていく展開は楽しいよな。
恥ずかしながら、ミドルプライスとフルプライスとか初めて知りました。

同時進行で、忍の学校生活のエピソードも進めていくのが上手い。どっちの結末も気になっちゃうから困る。
学校生活とエロゲ制作、2つは完全に切り離されているわけではなく、ある1点で繋がってるんだけど、そこが顕在化してくるのは2巻以降か。

あまりラノベでは見かけない視点からの切り口で面白かったです。
そこそこの巻数出てほしいけど、荒川さんって初シリーズの『にこは神様に〇〇される?』は2冊しか出してないんだよなぁ。

燃:B+ 萌:A 笑:B+ 総:A+

シリーズリンク
やましいゲームの作り方 <2>(2013/05)

イラストリンク
デキる神になりますん(ファミ通文庫、2012/03)
セントレイン戦記1 ~七戦姫と禁忌の魔剣士~(オーバーラップ文庫、2014/11)
勇者が魔王を倒してくれない(GA文庫、2015/02)
豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい(ファンタジア文庫、2017/02)

ガガガ文庫

Posted by お亀納豆